「教科の学び、広がる・深まる実践指導研修会(東京会場)」を開催しました。
LAST UPDATE 2012/02/13
「教科横断的な教材活用による授業実践の工夫」〜酪農を教材に授業づくり・教材研究・学びのしかけ〜
 1月28日、東京虎ノ門で、先生を対象に「教科の学び、広がる・深まる実践指導研修会」を開催しました。
 この研修会は、「酪農」を教材に、酪農家さんに話をしてもらい、「食やいのち」などの教育とのつながり、教科を意識した授業の想定を、グループワークによる討議で効果的・実践的な指導について考える場としました。
研修会概要
日 時:平成24年1月28日(土)
場 所:東京都港区虎ノ門1-2-8 
    虎ノ門琴平タワー3F
主 催:食といのちの学び支援全国協議会
共 催:社団法人 中央酪農会議
後 援:日本酪農教育ファーム研究会
協 力:日本教育新聞社
参加者:小中学校教職員など約35名

プログラム
■ 挨拶・説明(國分重隆氏)
■ 講演(藤本勇二氏・吉田恭寛氏)
■ グループワーク
■ 解説
挨拶
 本日ご参加いただきました先生方については、日々多忙な中、大切なお休みの日を本研修にご出席いただいたことを感謝致します。
 本日のテーマになります「食といのち」というキーワードは、子供たちが将来の社会を生き抜く上で重要なキーワードであることは言うまでもありません。小学校の子供たちにはどのように伝えていったら良いか、捉えさせたら良いか、学ばせたら良いでしょうか。
 ここで大切になることは、「実感を伴った学び」だと思います。
 「食といのち」に関する実感を伴った学びを実現する上で、最も適した場所が「酪農教育ファーム」という場所だと思っています。
 私が思うのは、「食」の原点にある牛の吐息や体温を体で感じながら「牛のいのち」に触れ、新鮮な驚きや心を揺さぶられる体験ができる。また、たくさんの「いのち」に向き合って、いのちの恵み、「牛乳」という食品としての学び、そして自分が愛情を持って育てた牛そのものの「いのち」も私たちの「いのち」に繋いでいくという仕事を、本日講師としてお迎えした吉田さんのような酪農家さんに直接関わりながら「いのち」や「生きる」ことの意味を学ぶことが出来る。これは「酪農教育ファーム」だけが出来ることではないかと思っています。


講演:藤本勇二氏
 今日は皆さんに、1〜2年生のヒーロー吉田さんに、ヒーローとはどんなものなのかを生で見ていただきます。これはとても大事で、書いてる物を読んだり、ネット上に流れているものだけ見ても、その人の人となりや、伝えたい思いは伝わりません。声を聞くこと、もっている雰囲気を感じ取ること、嗅ぎわけること、それは歳を取れば嗅ぎわけられるものではありません。実は子供の方が嗅ぎわけています。子どもが認定するのです。子どもたちがこの人ヒーローだなと認めるところに学びが含まれてくるのです。
 今日は酪農家の方の話を聞いて、牛乳を題材に授業の可能性を探っていこうと思います。

<授業例の一つとして簡単なクイズを始めました。
食品の表示を見せ、その表示から製品が何かを隣の方2〜3人で組んで考えてもらいました。>

1. 牛乳、鶏卵、砂糖、カラメル、香油
2. 牛乳、生クリーム、砂糖、卵黄、脱脂粉乳、レモン果汁、ゼラチン、バニラビーンズ
3. 生乳、塩

 この授業例は、答えを探す過程が大事です。何だろう?という問いを持つことです。問いを持ち始めると、私語を言い始めます。次に身体が動きます。1人でずっと何だろうと哲学のように考えるのではなくて、隣の人に肩を寄せ始めます。子供も動き始め、多動になります。
 皆さん、今読んでいますよね。私が読みなさいと言いましたか?でも皆さん、勝手に読んでいませんか。しかも中には考えなくても良いのに考えています。それが「学び」だと思いませんか?
 私は1.の時は喋りました。2.も途中まで喋りました。3.は私は喋っていません。酪農もそうではありませんか。その現場に連れて行ったら、子どもの「学び」が始まるのです。でも現場に連れて行くだけでは「学び」は始まりません。現場に連れて行く前の下処理、準備段階、牛乳を教材にする前に付加してあげるのです。
※藤本氏の詳しい講演内容はこちらよりダウンロードできます。


講演:吉田恭寛氏
 子どもたちを受け入れる牧場が全国で約300件以上ありますが、なぜ、酪農家がこれほど熱意を持って子どもたちを受け入れているのか。正直な話、見学料をお支払いいただいて牧場に来ていただくようにやっていけたらと思いますが、この300件以上の牧場はそこまで考えている方はあまりいないと思います。それは私たちが子どもたちを受け入れた時に、私たちも子どもたちの素直な反応や発言などに感動し、仕事としての喜びを感じることがあるから続けられるのだと思います。
 藤本先生に初めて会った時、スキルアップ研修会の時でしたが、「みなさん、学びはどこにでも転がっているのだから酪農が特別ではないのです」こう言われました。私も本当にそうだなあ、と思いました。子どもたちの反応を見ると、牧場には詰まりすぎるくらいたくさん学びの要素があると思っています。
※吉田氏の詳しい講演内容はこちらよりダウンロードできます。


グループワーク
5グループに分かれて、牛乳を中心にしてそこから広がる世界、飼料やエサ、酪農家の仕事、搾乳などをキーワードに、ウェービングマップを広げて作成してもらいました。
まとめ
吉田氏:私の気持ちが届いたのか、どこのグループも「牛への感謝」という言葉が書いてあって、酪農家が牛を単なる経済動物として飼っているのではなく、愛情を持って育て、その生産された牛乳が消費者に届くことを願いながらやっていることが伝わったことに、とても感動しています。

藤本氏:私も今日とても刺激を受けて、みなさんと話している間にも授業の色々な案が浮かんできました。こういう場でみんなで議論して、ひとつのものを作っていくという作業、さらにこれを良くするためには、「生乳」の温かさを感じる。これは牛に触れば良い事ですが、牛じゃなくても出来ること、誰がどこでも出来ることを学校の先生は考えなくてはならない立場なのだと思います。
 今回のグループワークは、牧場に行かずに授業を作っていくということでした。今日みなさんが考えたことは、次への再現性、汎用性、つまり誰でもどこでも再現出来ることを覚えてもらい、繋げていただきたいと思っています。

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