体外受精たいがいじゅせい
 もともと体内で行われる受精を、試験管の中で行うのが、体外受精です。オスの精子とメスの卵子を取り出し、試験管の中で受精させようとするものです。
 1959年にうさぎの例で始めて成功して以来、牛や豚などの動物のほか、人間の例も報告されるなど、広く利用されるようになりました。ちなみに、日本は牛の体外受精技術では、世界でもトップクラスです。
 卵子と精子は、取り出されると体内と同じ状態の液の中に入れられます。そこで、受精が可能な状態になるまで成熟するのを待ちます。卵子の場合では、24時間前後といわれています。その後、両方を一緒にして受精させるという方法が取られています。 また、冷凍して保存しておくということも行われ ています。
 体外受精が広く利用される理由の一つには、経済的なものがあります。牛の場合、排卵は21日に1個です。しかし、体内に卵子は10数個あります。それを一度に取り出すことで効率的に受精させることができるというわけです。