
北海道のような広大な牧草地を有した大規模放牧型の牧場や、まわりを住宅地に囲まれている都市近郊型の酪農や、秋田県や山形県、四国の高知県などの一部では山地酪農といって、山を放牧に利用した酪農も行われています。
あまり知られていませんが、中山間地にある牧場はさまざまな役割を担っています。たとえば「使われなくなった農地を、牧草地として利用する。これは農村の風景を維持するのはもちろん、例えば、だんだん畑を利用することによって、水質の悪化を防ぐことにもつながっています。
また、台風などの災害対策にも役立つことになります。意外なことかもしれませんが、日本の農村の風景は、酪農家とほかの農家との協力によって維持されています。
こうした事実に政府も関心を示しています。もっとも、ヨーロッパでは早くから中山間地の農家に対する手厚い保護が進められてきました。中山間地域の農家が景観や環境に果たす役割を十分理解しているからかもしれません。