出産しゅっさん
 日本では、子牛の約99%が人工授精によって誕生しています。1頭のすぐれた牛の精子が何頭ものメス牛に種付けされるのです。これは優良な子牛を数多く産むためです。
 妊娠した牛は、約280日後(約10ヶ月後)に出産します。出産の予定日が近くなると、牛は落ち着きがなくなり、エサをあまり食べなくなります。
 すでに子牛を生んで乳を出している牛は、出産予定日の約2ヶ月前から乳を搾るのをやめます。
 30〜40分かかって、牛の出産が終わると、母牛は子牛を包んでいた羊膜(ようまく)を口でとりはずし、食べてしまいます。子牛は、まだ目をとじたままですが、30分もしないうちに立ち上がろうとします。目を開くと立ち上がり、1時間ほどで母牛の乳を飲み始めます。この乳は初乳とよばれ、子牛にとっては母牛から病気などに対する免疫をもらうために大変重要な役目を果たしています。