濃厚飼料のうこうしりょう
 乳牛の飼料には「粗飼料そしりょう」と「濃厚飼料」があります。牧草やわらなど繊維質せんいしつが豊富な粗飼料に比べ、たんぱく質や炭水化物、脂肪などの栄養素を多く含み、繊維質が少ないのが濃厚飼料です。
 乳牛は、この濃厚飼料が大好物で、粗飼料といっしょに与えても、濃厚飼料だけを選んで食べようとするほどです。
 しかし、このバランスが偏ると、第一胃の機能障害が起こり、乳量が低下したり、健康を損ねたりすることもあるので、酪農家は栄養が偏らないように工夫して餌を与えています。
 濃厚飼料は、120種類以上の種類がありますが、代表的なものは、とうもろこし、大麦などの穀類、そしてこの穀類から食用部を取り除いたふすまのような糟糖そうこう類(又力類)、さらに脱脂粉乳、魚粉などの動物性飼料や大豆油粕などの油粕あぶらかす類があります。  酪農家は良質でおいしい生乳を生産するため、カロリーを計算したり、牛1頭1頭の発育や健康状態を考えて、濃厚飼料と粗飼料をバランスよく与えています。濃厚飼料は給与飼料全体の半分程度を上限とすることが大事です。