乾草かんそう
 牧草を乾燥させたものを乾草といいます。生育しているときの水分は約65〜85%ですが、乾草では約12〜15%になります。 乾草にする目的は、保存性を高めることや、水分の減少によりビタミンやミネラル等の成分比率を高めることなどがあげられます。また、その他にも以下の効果があります。
 1.牛のだ液の分泌ぶんびつをさかんにする。
 2.胃の中で、微生物びせいぶつの働きを助ける。
 3.水分の多い飼料を与えるときに、同時に供給きょうきゅうすることで軟便なんべんを防ぐ。
 4.子牛の第一胃の発達を促進する。
 5.生乳の乳脂肪の減少を防ぐ。
<乾草の種類と作り方>
 ほとんどの牧草は乾草にすることができます。イタリアンライグラスなどは乾燥速度が速いので、そのまま乾草にしますが、茎が厚かったり、中空になっていないアルファルファなどは細断・圧砕して乾燥速度を早めます。 また、牧草を大きく巻いたロールベールのような乾草もあります。
乾燥方法には、そのまま天日干しをする方法や、太陽熱で暖めた空気を室内に送って乾燥させるソーラハウス、屋根をビニールで作り、太陽熱で暖めるビニールハウスなどがあります。細切りした牧草を形成して作るキューブやペレットなどの飼料は、この強制(火力)乾燥によって作られます。そうすることで、乾燥工程中でビタミンやカロチンなどの栄養が壊れるのを防止します。