乾乳かんにゅう
 乳牛も人間と同じく子どもを産むとお乳を出します。これを泌乳ひにゅうといいます。この泌乳期間は約9〜10ヶ月、乳量は子どもを産んだ後60日目ぐらいを最高として、徐々に低下していきます。
 この時期に次の分娩のために人工授精が行われます。そして分娩から約300日目頃(次の分娩の2〜3カ月前)になると、1日の乳量も約10kg程度と、最高時の3分の1まで減ってきます。この時期に搾乳さくにゅうを中止し、乳牛の体を休ませることを乾乳と呼んでいます。
 乾乳をすることにより、母牛の体力回復や胎児への栄養補給、次の泌乳への養分蓄積も可能となります。この乾乳期は約50日前後、そして分娩を迎えるわけです。乾乳の方法には、乳量の減少に合わせて1日1回の搾乳にし、その後隔日にして徐々に乾乳する方法と、急に停止する急速乾乳法の2通りがあります。