はんすう
 牛には、おなかの中に、第一胃から第四胃まで4つも胃があります。いちばん大きな第一胃は、約150ℓ、1ℓパックの牛乳150本分もの容量があります。驚くことにその広さも、大人の男の人が2人も入れるほどです。重さも約60kgで、とにかく大きな胃なのです。
 反すうとは、一度のみこんだ食物を胃から再び口の中に戻してかむことをいいます。食べ物は、まず第一胃に送り込まれ、そこに住む微生物びせいぶつが消化しやすくして第二胃に送り、もう一度口に戻して奥歯ですりつぶしてから、また、第一胃、第二胃そして口に戻すことを繰り返して、第三胃を経由して第四胃に送られます。草であれば、1日に60kgもの量を食べるのですから、口も胃も忙しく働くわけです。
 1日の反すうの時間は、6〜10時間、1分間に40〜60回しゃくします。だから、牛はいつでも口をモゴモゴと動かしているような印象があるのです。咀しゃくをしている間に、だ液が分泌されますが、この量も1日に90〜150ℓ。このだ液が、エサを湿らせてのみこみやすくしたり、胃の中で微生物の働きを活発にして、消化を助ける働きをしています。こうして吸収された栄養は、血液に流れ込み、これがオッパイに送られて牛乳の原料になるのです。