ホルスタイン
 白と黒の模様もようでおなじみのホルスタイン。その歴史をたどると、約200年以上前に、ドイツからオランダにわたった移民の連れていった牛がもとになっているといわれています。長い歴史の中で世界各国に広がり、さまざまな品種改良が行われました。
 たとえばヨーロッパのホルスタインは中型で乳肉兼用種けんようしゅとしての特徴があります。アメリカやカナダで乳専用種として改良されたものは、大型で乳用種の特徴であるくさび型の体型をしています。日本のホルスタインもこの系列に属します。体格は、大型でやせ型、乳房が発達しています。性格もおだやかで、酪農家にとっては管理しやすい牛といえます。
 また、寒さに強く、寒冷地でも高い泌乳能力を発揮します。しかし一方、暑さには弱く、30度を超すような暑さでは泌乳量ひにゅうりょうが減少する傾向にあるようです。
 現在、ホルスタインの血統はサラブレッドのように登録とうろくされているので、父母や祖父母がどんな牛だったのかを正確に知ることができます。乳量が多く、優れた乳質の牛を生産するために、どんな組み合わせの交配が良いのかを判断する材料になるのが、登録のデータです。
 これは日本で本格的に始まった大正7年からの貴重な財産です。