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ーワークショップ(抜粋)ー(10月14日)
令和4年度 酪農教育ファームスキルアップ研修会(福岡会場10月14日)
石川 世太
株式会社musuhi 取締役 COO/
ひとつまみの希望 主宰


 ファシリテーションとは何だろうと考えると、それぞれのスタイルや、いろいろなやり方がると思います。やりかたももちろん大事ですが、「あり方」、「どういうふうにこの場にいるのか」という事もすごく大事で、私自身もそこを大事にしたいと思い勉強してきました。
 皆さんは酪農教育ファームを通して、命に関わる学びを自分たちの営みも含めて提供していると思います。また、そこで何かに気づいてもらおうと活動していると思いますが、その時に上手く回そうという事ももちろんですが、私がなぜこの活動をしているかという想いが届ていく事が一番だと思っています。
ファシリテーションをやる上で大切な事
・目的と意図、そして到達したい状態
・やる事の設計

 私はファシリテーターとして場を作る時に、どんな目的や意図を持って行うのか、そしてこの場が終わる時にどのようなところに到達しているのかを大事にしています。
 何をやるかというプログラムはありますが、どんな思いや目的でやるのか、どこまでいこうとしているのかという意図があると、プログラムをやる必然性が出てきます。また一緒にやるみなさんにも届きやすくなります。
 今日は「たくさん話せた。聴いてもらったし、自分も聴いた」と思ってもらえること。改めてどうして酪農教育ファーム活動をしているのかに気付くこと。仲間と改めて繋がるきっかけになること。研修会が終わる時に、そんな視野が広がるような時間になったら良いと思います。
 「ファシリテーションはこうですよ!」と一方的に伝えるのではなく、一緒に作っていく場にしたいと思います。
「未来を想い描くことが大事」
 いろいろなことがあると「目の前のことでいっぱいだ」となりますが、それを超えて本当だったらどうありたい、ということを描いているからこそ前へ進めると思います。今日のワークショップでは未来を描けるような時間にしていきたいと思います。
チェックイン
(この場に入るための時間)

 この場により深く「入る」ために、参加者で4人組になって自己紹介を含めた4つの項目を話しました。順番を決めず、準備が出来た人から話していきます。
 皆さんが今どんな感じなのかをお互いに分かるための時間です。
1.呼ばれたい名前
2.今どこから参加しているかというと…
3.たった今の身体の状態、心の状態は…
4.最近あったよかったことや、自分にとって新しい出来事は…
5.この時間に期待していることは…

 話し合いの後、「今日自分のためにどんな収穫を持ち帰りたいか…」について感想を共有しました。
●皆さんの体験・見学事情を聞きたい
●新たな出会い
●皆さんの意見や考えを聞きたい
●皆さんのお話しを聞いて今後に活かしたい
●ヒントをつかみたい
●子どもたちに元気を与えたい
 今感じていることを出してもらいました。少し場の雰囲気が見えたと思います。場からの反応を得ることもファシリテーターとして大事なことです。
話し、聴き合う
 参加者同士で2人組みを作り、インタビューワークをおこないました。
「聴き手」、「話し手」を順番に体験します。
 聴き手の人はインタビューシートに沿って話し手に聴いてください。なんでも聞く姿勢、相手がじっくり語るのを待つような雰囲気を大切に相手に寄り添うように聴いてください。
 話し手の人は聴かれたことをあるがままに話してください。
 大切な空間になるように2人で場を作っていってください。

 インタビューワーク後、インタビューしたペアを他の参加者へ紹介する他己消化をしました。
 インタビューワークで語ったことは普段話すようなことではないと思います。自分の原点や、酪農教育ファーム活動のどんな瞬間が好きか等、あたたかいもの瑞々しいものに触れれた時間になったと思います。辛いことも思い出したかもしれません。
ハイ・ドリーム / ロー・ドリーム
 インタビューワークで、今自分の中にある感情や想いを耕した状態にあると思います。 
 次は、自分のこれからに目を向けていきたいと思います。
 頭で考えることもそうですが、インスピレーションも大事です。
 これから最高の未来と、最悪の未来の想像を考えてみます。普通は最高の未来を想像しますが、最悪の未来を想像することで、こうはなりたくないという事が分かります。
 このQRコードを読み込むといろいろな画像がでてきます。これらの画像の中から、考えられる限りで避けたい未来の可能性・考えられる限り最高の未来の可能性を想像して選んでみてください。全ての画像を見なくてもピン!ときたものを選んでください。
 選んだらその画像を選んだ理由、そして私の何がその未来を作るのかを4人組を作って直感で語ってみてください。
今日の収穫
 最後に今日の研修で得たことや発見したこと、また今後に向けてなど、全体で発表しました。

●地域の学校に声をかけて酪農教育ファーム活動をやりたい
●1日でも早く見学を再開して、子どもたちの笑顔や変化が見たい
●酪農教育ファーム活動はライフワーク
●いやいや研修会に来たが、皆さんのおかげで楽しかった
●コロナの状況もあるが、五感をつかうような体験を早く子どもたちにやらせてあげたい
●悩んでいた自分がいたが、研修を通じて自分の中にあった思いを再認識できた

 今日は話したり聴いたり、考えたり、普段使わないような頭の部分を使ったのではないでしょうか。ですが、ここで感じたことは今後の自分の資源になります。何か新しい事を始めようとするときに、こういった頭の使い方や想いを話すことはすごく大事にくると思います。
 今日は酪農家の現在を語り、原点や情熱につながり仲間の存在を感じることで酪農を担うことへの希望、また酪農教育ファームへの希望が湧く。ここに参加してよかった、酪農教育ファームを続けようと思ってもらうことが意図でした。そうなっていたらうれしく思います。


株式会社musuhi 取締役COO / Chief Dialogue Officer・ひとつまみの希望 主宰 石川 世太

1984年東京生まれ。2011年4月、鹿児島に移住。“鹿児島起業家留学・マチトビラ”共同起業、ファシリテーター業とその普及、まちづくりワークショップ、中高生と社会をつなぐこと、持続できる暮らし、住み開きなど様々試みる。2021年10月、株式会社musuhiを創業。「心と身体、魂に働きかける場と問いをデザインし、人や組織が持つ無限の可能性をひらくことで、愛と生命力に満ちた未来を共につくる」をミッションに、様々な事業に取り組む。
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