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ー酪農教育ファーム活動における安全・衛生対策の確認(抜粋)ー(9月7日)
令和3年度 酪農教育ファームスキルアップ研修会(1回目/9月7日)
酪農教育ファーム活動における安全・衛生対策の確認
木島 秀雄
愛知県学校給食牛乳協会 事務局長
酪農教育ファーム認証牧場は一般的な酪農家(牧場)と比べて人の出入りが多く、人を介在して家畜が伝染病に感染するリスクが非常に高くなります。また、牧場へ来た人(特に子どもたち)が動物に由来する感染症にかかるリスクもあります。
感染症には牛や動物だけが発症するもの、人間だけが発症するもの、そして動物と人間の双方が感染して問題となるものがあります。
家畜から人への感染症や家畜伝染病が発生した場合、牧場の金銭的な損害や信頼の低下が想定されます。さらには他の牧場、ひいては風評被害も含めて業界全体に大きな被害をもたらす可能性もありますので注意が必要です。
安全・衛生管理
酪農教育ファーム活動を行う上での安全・衛生管理対策について
安全な酪農体験のための対応ポイント
1.安全に実施するための準備等に係る安全管理
2.乳牛の衛生・健康の管理
3.牧場、畜舎の清掃・消毒、環境美化等の環境管理
4.来場者への指導等の安全行動管理
安全に実施するための準備
■異常牛と要注意牛は隔離しておく
■危険エリアと見学可能エリアの区分を明確に
■畜舎周囲の整理整頓・清掃・消毒
■牛舎出入口に踏込消毒槽の設置
■手洗い場の準備や石鹸・消毒液等の確認
■薬品類(消毒剤・殺虫剤等)管理の徹底
■重機・作業用車両の安全管理の徹底
■保険の加入
■食品の手作り体験実施の場合は保健所に事前相談を
手洗い施設の条件
■来場者が動物エリアから退出する時に、必ず手洗いが実行できるような
場所に設置
■来場者に十分対応できるだけの数を設置し、十分な流水量を確保
■手洗いは流水で行い、貯留水は使用しない
■小児やハンディキャップを有する来訪者でも使いやすいような設計に配慮
■石鹸(できれば液状や泡状のもの)を常備
■ペーパータオルを用意
■冬場に温水が出るとより良い
■給水栓が自動あるいは足で操作できるものだとより良い
■アルコール消毒薬の利用も有効だが、必ず手の水分を拭き取ってから使用
飼養衛生管理基準の改正について
令和2年6月に飼養衛生管理基準が一部改正されました。
家畜の所有者は衛生管理に責任を持つ事が明記され、「衛生管理者」を定める事や今後「衛生管理マニュアル」を作成すること(令和4年度までに)が必要です。
また、衛生管理区域での愛玩動物の飼育は一切禁止になりましたので、犬や猫を飼っている方は気を付けてください。
感染症 発生のメカニズム
1.病原体
患者、あるいは自分で感染していると知らずに菌を保菌・排菌している健康保菌者、汚染便や血液など
2.感染経路
経口、飛沫、経皮、接触など感染の経路
3.宿主
感染を受ける側の生き物のこと。人間、動物であれば牛や豚等
感染症が起こるには、病原体、感染経路、宿主の3つが必要です。人の感染症でも家畜の感染症でも、このメカニズムは変わりません。つまり、どれかひとつ外れれば感染症は成立しません。
来場者への啓発
来場者に対し、動物から感染する病気があることを説明する必要があります。多くの場合、動物に由来する感染症は、キスなどの過剰な触れあいを避け、手洗いを効果的に行うことで予防できます。
手洗いで重要なのはしっかり石けんを泡立てることです。泡を十分に作らないと菌は洗い落とせません。作った泡で指の間、手首等をきれいに洗い、菌を流しましょう。
手作り体験時の注意点
■搾った牛乳をその場で参加者に飲ませることはできません
■手作り体験の原料乳は市販の牛乳や生クリームを用いる
■事前・事後の手洗いの徹底を最優先させる
■作ったものはその場で食べきり、持ち帰らせない
■手作り体験は本来建物の中で行うべきですが、屋外でのイベントでは
少なくともテント等で囲われた場所にて行うこと (保健所に事前相談)
質疑応答
Q.1
コロナ禍が少し落ち着いて来たら体験を受け入れようと考えています。気を付けなければならないことはありまか?
木島
新型コロナウイルス感染症は飛沫感染なので、人を集めて体験等を行う時にはきちんとマスクをして、あまり大人数を集めて行わないようにしてください。ウイルスが付着している手で目や鼻を触ってそこから感染する場合もあります。手洗いも今まで通り行うようにしましょう。
感染症が発生する条件として、病原体、感染経路、宿主の3つが必要とお話をしました。
宿主の点でお話しすると、感染症の抑え込みには、最終的にワクチンの接種が重要になってきます。今、ワクチンの接種を急いでいますので、このまま減っていけば来年あたりには体験の受け入れが出来るようになるかもしれません。
愛知県学校給食牛乳協会 事務局長 木島 秀雄氏
岐阜大学農学部獣医学科卒業。
愛知県職員に獣医師として採用され、30数年にわたり衛生関係部局にて食品衛生・環境衛生・公衆衛生・動物愛護法関係等の分野に係る業務に従事する。
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