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令和2年度 酪農教育ファーム実践研究集会−挨拶−
主催者挨拶
日本酪農教育ファーム研究会 会長 福井みどり

 本日はご多忙の中、全国の皆さんにご参加をいただき、ありがとうございます。
 今年度の実践研究集会は初のweb開催になりました。年に一度この会で多くの酪農家さん達とお会いできるのを楽しみにしていましたが、コロナ禍では仕方ありません。ただweb開催ということもあり、今までなかなか参加することができなかった方にもご参加いただけたのではないかと思っています。
 本日はお二人の先生方に実践発表をしていただきます。
 思い起こせば9年前、私もこの研究集会で実践発表をしました。本研究会の前会長である國分先生が校長で、その元で担任をしていた頃です。國分校長先生が担任として悩んでいた私と吉田牧場の酪農家・吉田さんを引き合わせてくれたのが酪農教育ファーム研究会との出会いでした。クラスで飛び出してしまうような子も、みるみるうちに変わっていきました。牛との出会い、魅力ある酪農家の吉田さんとの出会いが子どもたちに生きる希望を与えてくれました。その中には、今も酪農家になることを夢見ている子もいます。それだけ子どもたちに影響力のある学習でした。
 酪農教育ファーム活動は教師を変え、子どもたちを輝かせる、自分のいのちも他のいのちも輝くことを教えることができる教育であると感じています。
 この研究集会が子どもたちの未来を明るく照らすことを期待し、挨拶の言葉とさせていただきます。


(一社)中央酪農会議 専務理事 迫田潔

 本日はお忙しい中、全国から酪農家そして教育関係者の皆様方にお集まりいただきまして本当に感謝申し上げます。
 初めてのweb開催となりましたが、昨年度よりも多くの方に参加いただくことができたのは幸いなことだと思っています。

 はじめに新型コロナ禍における生乳の需給を中心に、酪農を巡る情勢について、お話しさせていただきます。
 春先、新型コロナウイルスの影響で学校給食用牛乳の供給停止等があり、生乳の需給が急激に緩和しました。外国では生乳を捨てたというようなニュースも入ってきましたが、日本においては、業界関係者が一体となり、また消費者からの応援もあり、一滴も無駄にすることなく乗り切ることができました。
 7月以降は小学校の夏休みが短縮されたこともあり、今度は生乳需給の逼迫が予測されましたが、幸か不幸か梅雨が長引いたことに加え、生乳生産が好調だったこともあり、思ったほどの逼迫にはなりませんでした。しかし、8月の3連休頃を契機に生産が減少し、かなりの逼迫状況が今も続いています。都府県では生乳が足りなくなると北海道からの輸送に頼る事になりますが、9月下旬には台風12号の影響で生乳を運ぶ大型船ホクレン丸が欠航する事態も発生しました。様々な外的要因や環境の変化に左右されましたが、指定団体の連携を図りながらできるだけ生乳が安定供給するよう努めました。生産量がコントロールできない酪農の特性について、消費者の方々や販売店の方々に説明し、ご理解いただくことが必要だと考えています。
 そうした中で酪農教育ファーム活動に目を向けると、なかなか従来の活動ができない状況が続いていると思います。業界でも多くのイベントが中止されています。
 緊急事態宣言の解除後、本会議で交流活動におけるガイドラインを定めました。各牧場、学校現場で工夫をしながら、徐々に活動を再開していただくとともに、本日の様なwebを活用した取り組み等、新しい視点で活動を検討していく必要があると考えています。
 酪農教育ファーム活動は、酪農が持つ教育力を生かした価値ある活動、酪農への理解、子どもの学びの場として大変重要な役割を担っています。生産者が直接、消費者に想いを伝える絶好の場でもあります。

 本日はzoomの機能を使いグループに分かれてワークショップ等、新しい試みを準備しています。酪農家と教育関係者とが交流して繋がり、各々の取り組みや思いを共有し、新しい視点を見つけ出して欲しいと思っています。初めてのweb開催で戸惑うこともあると思いますが、本日得た知見や出会いをこれからのそれぞれの酪農教育ファーム活動につなげていただくことを願いまして、挨拶に代えさせていています。

来賓挨拶
農林水産省生産局畜産部牛乳乳製品課課長補佐 大平真紀

 本日ご出席の皆様におかれましては、日頃から我が国の酪農の発展にご尽力いただいていることを深く感謝いたします。また、酪農教育ファーム活動における、いのちの学びを支援する活動に深く敬意を表したいと思います。
 酪農教育ファーム活動では、子どもたちに酪農の実態や牛を通じたいのちの大切さを伝えることに加え、各地域で取り組んでいる皆様の情報交換の機会があるからこそ関係者の繋がりが深められ、活動が長きにわたり継続されているのではないかと感じています。

 春先からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大は未だ収束の目処が立たない状況です。感染拡大が収まらない中、皆様の受け入れの体制や教育方法等、現場では対応に苦労されているかと思います。
 中央酪農会議と地域交流牧場全国連絡会で作成された新型コロナウイルスを想定した消費者交流活動に係る感染防止ガイドラインでは、消費者交流活動における酪農家の対策、来場者への対策、牧場施設への対策など整理されています。今年度は思うような活動ができない状況かもしれませんが、ガイドラインを参考に感染予防対策を講じつつ、可能な範囲で交流活動を実施していただければと思います。
 先ほど迫田専務理事から紹介がありましたが、春先は、学校給食の停止等で急速な需給の緩和となり、農林水産省、生産者、乳業メーカーがかなり困る状況となりました。農林水産省では酪農家を支えるため、牛乳を普段より1本でも一杯でも多く消費することを推進する「プラスワンプロジェクト」をSNS等で発信したところ、消費者の皆様から共感を得ることができました。消費者の皆様から酪農家に対して温かい共感があることは、酪農教育ファーム活動が酪農への理解や共感を作ってきたからだと感じています。

 最後に本日の研究集会では、今後の酪農教育ファーム活動に活かすことができるよう、皆様方には活発な意見交換をしていただき、これからも多くの方々に酪農に触れてもらい酪農の発展に繋がっていただくよう、皆様のご活躍とご健勝を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきたいと思います。
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