そこで去年の研究集会での意見を見直し、低中学年を対象に実施しました。狙いは酪農体験を通して牛乳、乳牛、酪農家の仕事に関心を持ち、自ら問題を見出して解決する活動を通じて、いのちの大切さに気付き、食べ物に対する感謝の心を育む事です。総合的な学習の時間で、事前学習2時間、体験4時間、事後3時間の計9時間の予定で始まりました。
事前学習では、牛乳が毎日給食に出る事から、給食の写真を見せる事を基に結び付けを行いました。子ども達は、給食にはいろいろな食材が使われている事や牛乳が毎日出ているという事に気付いていきます。そこで、本校の栄養士による指導や、乳業メーカーの方にも協力を経て、どのように牛乳は運ばれてくるのかを話していただきました。
わくわくモーモースクール当日は、4つのブースを作りました。
1つは子牛との触れ合いと哺乳のブースです。ここでは子牛と触れ合う事でいのちの温もりを感じてもらいます。私達が飲んでいる牛乳は、本来、子牛が飲むべきものですが、それを人間がいただいている事に気付いてもらう事が狙いです。
各ブースでどのような活動を行うのか、酪農家はどのような働きかけを行うのかなども事前に位置づけをして、体験に移っています。子ども達は、実際に子牛に触れ合う事で乳牛の一生を知ることができました。酪農家の働きかけとして、牛の胃は4つある事、酪農家は母牛の代わりに子牛を育てる事などを子ども達に語っていただきました。
2つ目は酪農家の仕事ブースです。酪農家がどんな思いや願いをもち、乳牛を育てているのかを学びます。酪農家の仕事、えさ、農具などについて教えてもらいながらミルカーの体験を行いました。酪農家の働きかけとしては、糞尿も大事な肥料という事を教えて貰いました。実際にえさを用意してもらい、匂いを嗅ぎ、どのように牛が育つかを聞きました。最初は臭いと感じる子ども達も慣れるにしたがい、えさに触っていました。
3つ目の搾乳体験ブースでは、実際に搾る事で、牛の温かさに気づき、いのちの温もりを感じ、親牛の体や様子などの特徴に気付くという狙いでした。学習内容としては、搾り方、乳房の感触、牛乳のできかたなどを学び、牛の乳は温かい事や、優しい乳の搾り方などを指導していただきました。
4つ目は牛の出産ブースです。ここではビデオ上映を行いました。母牛がいのちがけで出産する事で、人が牛乳を飲む事ができる事を、映像を通じて学習しました。また全体で、牛1頭からどれくらいの牛乳を搾る事ができるのかを学びました。
最後は全員で課題や疑問をもう1度考え、ブースを回り解決をしていきました。本来事後の学習は、自分で調べるのですが、今回は中学年という事もあり、ある程度の問題意識を持ち、課題を見出しながら調べて、その中で解決するという内容でした。事後学習を追加で4時間設け、実際には13時間の学習時間になりました。事後学習は、図書館で調べ活動をしています。
講演資料