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2004.AUTUMN Vol.24
VOICE

2001年、ドーハでの閣僚会議で新ラウンドの開始が合意されたWTO交渉は、昨年3月末を目途としていたモダリティの確立で合意がなされず、膠着した状態が続いていました。しかし、その後、2004年6月のシーアイランド・サミットにおいて「農業分野での進展が新ラウンドを前進させる」との声明が出されたことなどを踏まえ、断続的に接衝が行われた結果、2004年7月末のWTO一般理事会において枠組み合意がなされましたので、その内容についてお伝えします。

 7月末の枠組み合意に向けて、6月13日よりサンパウロで開催された国連貿易開発会議(UNCTDA)総会、6月23日からジュネーブで開催された農業委員会特別会合において、各国間の交渉が行われました。
 一方、日本、スイスなど10カ国・地域で構成する農産物輸入国グループ(G10)では、交渉に輸入国の立場を反映させるため、7月5日にはジュネーブで閣僚会議を開き、枠組み合意において高関税を維持したい「重要品目」の「特例扱い」を求める共同声明を対抗して発表したほか、米国、EU、ブラジル、インド、オーストラリアの5カ国についても閣僚級会合を開き、関税引き下げ問題などで協議を行っていましたが、対立点を残したままとなるなど、各国間の立場の違いに調整がつかず、取りまとめが困難な情勢となっていました。
 こうした状況のなか、7月16日に、WTO一般理事会の大島正太郎議長により「枠組み合意」の議長原案が各国に通知されましたが、この原案では、「階層方式」が明記される一方で、上限関税の設定については「さらなる評価を要する」として今後にゆだねられるなど、不透明な要素が多く残されました。


 その後、各国間の調整が進められるなかで、WTO一般理事会が開催され、詰めの議論がなされ7月合意達成は正念場を迎えましたが、依然として調整がつかず、膠着状態が続きました。これにともなって「枠組み合意」の議長修正案の提出もぎりぎりまでずれ込むこととなりました。
 7月30日に、WTO一般理事会の大島正太郎議長によって、新ラウンドの「枠組み合意」の修正案が加盟国に配布されましたが、この修正案でも各国からの反発を浴び、このため、交渉期限を1日延長し詰めの交渉が継続されました。この結果、WTOの新ラウンドは31日昼過ぎ(日本時間同夜)、最難関になっていた農業分野で、日本を含む主要国が合意に達しました。

  農業分野の合意は、関税率の高い産品ほど大幅な関税率削減が求められる「階層方式」を採用する一方、日本などの輸入国でセンシティブ品目として守られている重要品目(高関税産品等)については、関税の最低削減義務を課さない緩やかな方式にとどまったほか、低関税で農産品を一定量輸入することを一律に義務づける「関税割り当て」の拡大につながりかねない表現を削除し、米国に配慮して、国内農家の助成策の削減を強く求める表現を修正しました。
  また、貿易をゆがめる懸念のある国内補助金などの政策を削減することが合意され、輸出補助金や償還期間が180日を超える輸出信用などを一定の期日までに撤廃することも決まりました。

 一般理事会では、今後の日程について当初の予定を変更し、2005年12月に香港で開く第6回WTO閣僚会議において具体的数値等(モダリティ)を決定することとされました。これにより2005年1月1日の新ラウンドの包括最終合意期限は少なくとも1年以上延長されることになりました。
  この決定により新ラウンドは、農産物の関税削減率など具体的内容を決める新たな段階に入ることとなりましたが、今回は交渉の決裂回避を最優先したことから多くの課題が先送りされ、特に農業の重要品目では、具体的にどの産品を対象にするかという肝心の細目では、年明け以降、再開予定の交渉に持ち越すことになりました。



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