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2003.SPRING Vol.18
VOICE


 14年度の計画生産はインサイダー全国総量で7564千トン(13年度計画生産実績比99.7%)で設定しました。その後の調整枠、アウトイン異動による目標数量の追加等を経て、最終の供給目標数量は7644.6千トンとなっています。

 1月の時点で指定団体から報告された14年度の計画生産実績見込みは、全国で約7716.7千トン(13年度実績対比101.7%、14年度目標対比100.9%)であり、目標数量に対して約7万トンの超過となる見通しです。内訳としては、北海道で10万トンの超過、都府県で3万トンの未達が見込まれます。

 直近時点で、北海道では1月段階の見通しよりも生産が好調で、反対に都府県では見通しを大きく下回っている地域も見られます。最終の実績では、北海道の超過数量、都府県の未達数量ともに拡大することも考えられます。

 生処合意により策定した需給予測(酪農乳業情報センター・1月時点)では、15年度の生乳供給量(生乳生産量から自家消費分を除いたもの)は8399千トン(14年度実績見込み対比100.3%)と概ね前年並みと見込まれています。飲用牛乳等向けの需要予測量は5043千トン(同100.4%)で、差し引きの乳製品向け仕向け量が3268千トン(同100.1%)となります。15年度は閏年に当たり、0.3%を引いた比率が実質の14年度対比となりますが、いずれも14年度と同水準の見通しです。

 バター・脱脂粉乳の需給をみると、バターの需要量は増加し、国産製品のみでは不足が生じる見通しですが、脱脂粉乳の需要は減少し、さらに在庫が積み増す予測となっています。脱脂粉乳の過剰在庫は、現時点でも過去に例を見ない水準に達し、深刻な問題となっています。14年度の期末在庫量の見込みが83.9千トン(前年度比111.8%)で、15年度期末には、これをさらに12千トン程度上回り、95.8千トン(14年度見込み対比114.2%)に達する予測となっています。

 なお、直近では、特定乳製品への生乳仕向け量が減少し、脱脂粉乳需要が当初予測よりも増加しています。こうしたことから、脱脂粉乳在庫量は、予測値よりも減少する見方もあります。しかし、在庫量自体は、非常に高い水準が見込まれることに変わりはありません。

 中央酪農会議では、去る2月5日に、生産者代表等で構成する需給調整等委員会を開催し、15年度計画生産の考え方について協議を行いました。

 平成14年度は、脱脂粉乳の在庫は大きく増加したものの、時期別に生乳需給をみると、夏場以降は飲用向け生乳が一貫して不足気味となり、生クリーム・バター等の乳脂肪も年末の需要期に向け不足を生じました。先の需給予測値からも、15年度はこれがさらに拡大することが懸念されます。また、生乳生産の面でも、16年度の環境規制強化の影響等により、生産基盤の弱体化を招くことも不安視されています。

 前号で紹介した通り、11月の同委員会でも、
1.脱脂粉乳在庫の積み増しに留意しながら不足する用途・乳成分への安定供給を図る、
2.生産抑制により生産者の意欲をそがない、の2点を勘案し、計画生産の基本方針を樹立することを確認していました。

 これに基づき、今回の委員会では、
1.15年度の全国の供給目標数量と指定団体別の設定方法、
2.15年度計画生産対策の内容、
3.脱脂粉乳在庫対策のしくみ、について協議・決定しました。

 従来の需給緩和時には、計画生産の目標数量により生産量を制限することで、需給の安定を図りました。しかし、15年度は、先にみたような情勢を踏まえて、計画生産の上で、目標数量による生乳生産の抑制は行わないこととしています。地域の生産実態・生産意欲により、指定団体単位で目標数量を上回る場合は、指定団体が主体となって生乳出荷調整・乳製品市場隔離を実施し、脱脂粉乳の在庫積み増しを防止するしくみを取り入れました。

 理論上では、脱脂粉乳の需要量に基づいた目標設定を行えば、在庫は増加しません。しかし、この目標水準だとバターが大幅に不足し、追加輸入までが必要となることも想定されます。乳製品需要の見通しが不透明な点も考慮し、全国の目標数量は脱脂粉乳在庫に一定の考慮をしながら、バターの需要量(酪農乳業情報センター)に基づき、カレント輸入・放出も勘案し設定することとしました。所定のルールにより算出すると、インサイダー分の全国供給目標数量は7687.3千トン(14年度目標数量対比100.6%、15年度実績見込対比99.7%)となります。指定団体別には、当該数量の80%を14年度の計画生産実績、20%を出荷希望数量により、それぞれの指定団体別構成比に応じて比率按分し、合計した数量を設定します。

 供給目標の超過が見込まれる場合に、指定団体が行う出荷調整・市場隔離は、
1.乳製品の他用途への転用(飼料向け等)、
2.全乳哺育(子牛の飼料用に全乳を供給)、
3.乳製品の新用途への転用(輸入調整粉乳との置き換え)を想定しており、実情に応じて選択して実施できるものとしました。これらは「供給目標達成対策」として位置づけ、実施した数量は、実績から減算・供給目標へ加算する等、計画生産の上でも適正に反映させます。

 対策の必要財源については、生産者負担に加えて国にも支援を求めていきます。今後の国への支援要請を経て、内容が確定した段階でより具体的な実施手法を固める予定です。

 生産者の意欲をそぐことなく、在庫対策等を適切に実施し、一定の成果を得た乳価や生乳取引環境に悪影響を及ぼさないようにすることが、よりよい酪農生産環境を作り出すことにつながると考えています。

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