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2002.WINTER Vol.17
北海道の生乳生産は13年の7月以降は好調に推移しています。直近では、昨年の反動の影響で、伸び率は低下していますが、今後も前年を上回ると推察されます。14年度トータルでは前年対比103%程度の伸び率になる見込みです。
都府県においても、需要期を中心として生乳生産は当初予測を上回って推移しています。昨年、一昨年は夏場の生産落ち込みが大きくなっていましたが、14年度は天候要因等も影響し、概ね平年ベースの推移を示しています。14年度全体では99%程度になると見込まれます。
こうした生産動向には、気候要因が大きく影響していることは確かですが、その他の特徴的な要因として、
1 BSE発生後の地域的な増産対策の成果(導入助成等)、
2 副産物価格の低迷等を受けた搾乳部門へのシフト、
3 加工原料乳補給金単価・飲用乳価の上昇などが生産構造に影響していると考えられます。
また、割合としてはまだ多くはありませんが、メガファーム的な経営も着実に増えており、こうした経営での急速な頭数拡大も生産維持に寄与していると推察されます。
14年度の計画生産はインサイダー全国総量で7564千トン(13年度指定団体出荷実績比99.7%)で設定しました。その後の調整枠、アウトイン異動による目標数量の追加等を経て、11月現在の供給目標数量は7638千トンとなっています。
中央酪農会議では、10月の時点で、指定団体に対して、計画生産関連のヒアリング調査を行いました。この時点で指定団体から示された14年度の実績見込みは、全国で約7723千トンであり、これは、13年度実績との対比で101.7%、目標数量との対比では101.1%となります。直近では、ヒアリング実施時点よりも生産が減少している地域もあるため、最終的な実績は見込み値を下回ることも想定されますが、目標数量を超過することは、ほぼまちがいないと考えられます。
用途別に見た生乳需要は、前号でもお伝えした通り、飲用向けが非常に好調です。
最需要期である9月には、生乳生産は維持された上で、最大限の広域配乳調整が図られたにもかかわらず、都府県ではかなりの生乳不足を招きました。その後も、飲用向けの生乳需給はタイトで、12月の時点でも飲用向け生乳の引き合いは強くなっています。この時期まで飲用向け生乳需給がひっ迫を示すのは異例のことですが、これは、牛乳消費が好調となったことが大きく影響しています。また、ヨーグルトや缶飲料、製菓・製パン等向けとしても、生乳や業務用の牛乳(いわゆる殺菌乳)の需要が高まっています。
一方で、加工乳・乳飲料の消費は落ち込んでおり、特に還元タイプのものが不振となっています。夏場の生乳不足下においても、その傾向に変わりはありませんでした。
牛乳・加工乳・乳飲料の製品製造量を合計し、牛乳類全体の消費動向を見ると、引き続き停滞基調にあります。つまり、飲用向けの「生乳」需要は、牛乳の伸びを背景として高まったものの、「製品」としてみた牛乳類全体の消費は回復しておらず、牛乳類の市場は活性化していないといえます。
飲用向けの需要動向と反対に、乳製品の需要はやや不振となっています。特に、加工乳・乳飲料等への還元需要の減退も影響して、脱脂粉乳の需要が不振を極めています。
在庫量は過去に例を見ないほどに増加しており、年度末時点では9万トン程度(前年対比120%程度)になると考えられます。また、今後も、需要の面でも明るい話題が見当たりません。生産・需要ともに現状の基調で推移した場合には、次年度には更なる在庫増も見込まれる状況です。
過去に大幅な需給緩和を招いた際には、年間を通じて販売不可能乳が発生し、また、バター・脱脂粉乳ともに在庫が過剰となっていました。しかし、現状では夏場の飲用向け生乳は不足し、バターの需給も特段の問題はなく、むしろ家庭用バター等は不足気味です。このように、時期や乳成分による需給のアンバランスがより拡大していることが、最近の生乳需給の特徴として挙げられます。
中酪では去る11月14日、生産者代表等で構成する需給調整等委員会を開催し、15年度の計画生産対策の方向性について、協議を行いました。
こうしたことから、次年度の計画生産は、
1 脱脂粉乳在庫の積み増しに留意しながら、不足する用途・乳成分への安定供給を図る、
2 16年度の環境規制強化等の影響が懸念されるため、大幅な減産で生産者の意欲を削がない、
の2点を基本に対策を立てることで合意しました。
具体的な対応手法は、今後の検討課題となりますが、従来の減産時のように生乳生産量自体を削減するのでなく、過剰生乳については確実に市場隔離(全乳哺育仕向け等)を行うことや他用途への転用(飼料用等)などで、乳製品需給の悪化を防ぎ生産基盤には影響を与えないようにする等の手法が考えられます。
ただ、このことだけでは、脱脂粉乳の過剰在庫の抜本的な解決策には成り得ません。生産者が取り組む計画生産のみならず、乳業者も脱脂粉乳の需要拡大を講じる等、生処が一体となった取り組みが必要です。
次年度の需要見通しも含めて、情勢は厳しいものがありますが、一定の成果を得た乳価や、生乳取引環境に悪影響を及ぼさないためにも、適正な計画生産対応が、これまで以上に求められる状況にあります。
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