スゴいぞ!牛乳。飲んだら、ええよう。  >>>                             



2002.WINTER Vol.17
VOICE



 酪農に関する様々な制度が改正され、13年度からは加工原料乳も含めた生乳の全取引用途が相対取引に移行することとなりました。

 そこで、酪農乳業界においては、早急に乳価交渉のルール化や乳価交渉に必要な情報提供等を行う体制を整備する必要があり、酪農乳業情報センターを13年4月に設立しました。


 センターにおいては、13年4月以降、加工原料乳及び飲用等向け生乳の価格形成のあり方等について検討を行いました。その結果、加工原料乳については一定の酪農乳業界における情報の共有化を図ることができましたが、飲用乳価交渉については、交渉を進める上で、業界の共通認識に至るまでの取りまとめを行うことはできませんでした。

このため基本的には従来と同じ形式で乳価交渉が行われることとなりました。

 指定団体においては、14年度飲用乳価の値上げ水準を検討するにあたって、以下の4点が課題として、その背景にありました。

1 BSEの影響により酪農経営が悪化していること、
2 消費が拡大しないなかで、依然、飲用牛乳の廉売合戦(過当競争)が続いていること、
3 こうした状況のなかで、14年1月に開催された乳業賀詞交換会において、乳業協会中山会長(当時)が「今後はますます安全性への対応が必要。そのためのコストアップを消費者に転嫁してもらう必要があるという脈絡のなかで、飲用向け乳価は1、2円の値上げは無理。10円程度で考えるならば、酪農乳業は車の両輪だというなかで、それを可能にする努力が必要」との発言がなされたこと、
4 16年11月の家畜排せつ物法に基づく施設整備の期限が迫るなか、酪農経営において、これに対応するための資金が必要なこと、こうした状況を背景に、中央酪農会議に設置されている、指定団体及び全国連で構成する生乳取引等対策委員会では「乳価の値上げ水準は5円以上とすべき」との意見が大勢を占めることとなりました。

 この結果、各指定団体は、取引先乳業者によっては上げ幅が5円以上となる大幅値上げを要求することとなりました。この大幅値上は、牛乳の廉売合戦が続くなかで、乳業経営が悪化の一途を辿っている状況を踏まえ、乳価の値上げを通じて牛乳の納入価格の引き上げ(適正化)を実現してもらいたいという生産者団体の願いを込めたものでもありました。

 また、都府県の指定団体においては、そのほとんどが13年度から本格的に活動を開始したこともあり、同一指定団体内であっても産地(県)によって異なる取引乳価であることや、乳業者ごとに異なる飲用乳価であるという実態が、合理的な需給調整・配乳調整を行う上で、大きな課題となっていました。こうした状況を踏まえ、飲用向け乳価の統一化として「キロ○○円」といった乳価を要求する指定団体が半数近くありました。

 このように指定団体が値上げの要求水準を決定し、取引先乳業者と交渉を進めるなか、乳業者においては、酪農経営の置かれている実態については理解を示すものの、具体的な回答は行わず、交渉には進展が見られませんでした。乳価値上げを実現するためには、乳業経営が悪化しているなかで、納入価格の改定を実現しなければ原資の獲得ができず、一部地域・乳業者では、納入価格改定に向けた動きは見られたものの、実現は困難な状況にありました。このため、飲用乳価交渉は難航し、需要期である夏までに決着を図ることができませんでした。  指定団体においては、遅々として進展しない乳価交渉や乳業者における納入価格改定の動きを踏まえ、他の生産者団体等と連携し、新聞広告や量販店まわり、ビラ配りなど、地道な活動を継続的に行いました。

 こうした活動や継続的に乳価交渉を行った結果、9月には市乳トップメーカーより1円未満の小幅な値上げを行う回答が一部指定団体にありました。この回答は、当初、14年度限りの奨励金としての取扱いでしたが、その後の交渉により「撤廃」されることとなり、指定団体においては、これまでの交渉経過を踏まえ、15年度以降の大幅値上げに向けた通過点として、これを受け入れるところも出てきました。

 また、市乳トップメーカーより回答があって以降、他の大手・準大手なども徐々に回答を出し始めました。しかし、その水準、取扱い(奨励金であり、14年度限りの措置)について、指定団体の要求と隔たりがある状況が続いており、11月末段階では、依然、決着が見られない状況にあります。


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