流通・乳業者の皆様へ

地元の皆さんに美味しいと言われるのが何よりの喜びです。

ゼロからの手探りで、がむしゃらにやってきた3年間でした。

健康に牛を飼うこと。それが、私たちの一番の仕事です。

NPO法人FAR-Net(福島農業復興ネットワーク)の呼び掛けにより被災した酪農家が集って、福島市内の牧場を借り受け、震災の影響を受けた施設を改修し、2012年8月から運営をスタートさせたミネロファーム。「順調に推移してきました。まずは採算ベースに乗せようと頑張ってきました。」と語るのは、農場管理責任者の紺野 宏さん。「牛をしっかり飼って、生乳を搾るのが私たちの本来の業務です。生乳からつくられる牛乳は、えさや水、搾った生乳はもちろん、工場でパッケージされて出荷されるまで徹底して検査・安全管理されている食品。きちんと理解していただける消費者の皆様に向け、生乳生産の本質を日夜追究していくだけです。」開業にあたり、100頭以上の乳牛を北海道などから導入しましたが、前場長の田中 一正さん(現・株式会社フェリスラテ代表取締役)以外、誰も100頭を超える乳牛を飼った経験がなかったので、それに対処するので精一杯だったそうです。「想定した以上には生産量は伸びていませんが、乳質はずっと良いんです。健康な牛を飼えば、それに応えて美味しい生乳が搾れるんです。」と心強く語っていただきました。

食卓と生産現場の距離を縮め、“心の除染”に取り組んでいます。

ミネロファームは被災した酪農家の雇用を生み出すことに加え、子どもたちや後継者への教育的機能も重視しています。
「これからの酪農経営には新たな価値が必要で、それを考えて行かなくてはならない。」と語るのは、事務局長補佐の増子 裕人さん。「酪農教育ファームやモーモースクール等の活動に加え、学生や就農希望者のインターンシップの受け入れ・トレーニングプログラムの実践等にも取り組んで行きたい。ここで育った職員が田中前場長のように独立して、巣立っていくことも1つのスタイルと考えています。」さらに、牧場見学や酪農体験を通じて、家庭の食卓と酪農現場の距離を縮める作業を地道に続けていくことが重要と考え、「全ての消費者に納得していただくのは難しいと思いますが、地域で地道にPRや酪農体験、酪農研修など、直接関わりを持つことに努めていくことが、土地や家屋の除染だけではなく“心の除染”を進めていくためには、非常に大切なことなんとだと思います。」と語っていらっしゃいました。

フェリスラテ:生乳生産量を震災前のレベルに戻すために頑張りたい。

「ミネロファームで培ってきた経験と実績を活かして、新たな牧場をオープンさせます。」と語るのは、前出の田中 一正さん。
「年間5,000トンの生産量を目指して、500頭の乳牛を一度に導入し、2015年10月にオープン予定です。今はプレッシャーや不安がいっぱいですが、被災して休業していた酪農家の仲間たちを集めて、頑張るしかないと思っています。」今後、他に続くと良いとミネロからもエールを送られていました。