2003.3月 新聞・雑誌広告





鳥取県の米子駅から車で20分、西伯郡西伯町の山あいの田畑が広がる一角に西谷牧場はあります。到着すると、西谷階喜・幸子ご夫妻もちょっと照れた笑顔で「いらっしゃい」と歓迎してくれました。益子直美さんは西谷ご夫妻と、さっそく牛舎へ・・・

益 子 牛って、案外鳴かないんですね。

西 谷 牛が鳴くのは、エサが欲しいとか、乳を搾ってとか、体調が悪い時や発情している時など、何かをして欲しい時が多いんです。

益 子 つまり、牛の状態が良いってことなんですね。

西 谷 安全で良質な牛乳は、健康な乳牛のお乳であることが基本。だから、酪農家の第一の仕事は健康な牛を育てることなんです。

益 子 そのためには、どんなことを。

西 谷 まず、牛にとって快適で衛生的な、病気やストレスになりにくい環境作りです。もう一つは、バランスの良いエサ作りと適切なエサやりです。栄養の偏り、与え過ぎなどはダメ。あくまでもバランスですね。












ミルキングパーラー(搾乳室)では、奥さんの幸子さんが清掃を終えようとしていました。床もピカピカです。ミルカー(搾乳機)や搾った生乳を運ぶパイプラインは自動的に殺菌洗浄済み。十分洗浄できているか、不具合はないかをチェック表にもとづき改めて確認、いっそうの安全を期しています。幸子さんは薄手のゴム手袋をし、ウエストバッグにペーパータオルを詰めた搾乳スタイル、いよいよ搾乳です。
ミルキングパーラーに牛を入れ、まず、前搾り。乳房炎にかかっていないことをチェックします。「乳房炎は、乳房へ細菌が侵入し、乳房組織が炎症を起こす病気です。万一、乳房炎になっていたら最後に別に搾乳し、その乳は廃棄します」と、幸子さん。次に乳頭を消毒し、ペーパータオルで水分をしっかり拭き取り、ミルカーを装着して搾乳が始まりました。他のパーラーの牛にも同様の作業をテキパキとこなします。5分ほどすると、最初の牛からミルカーが自動的に外れました。





益 子 これで1頭分は終わりですか。搾乳作業よりも、消毒や洗浄のほうがずっと大変みたい。衛生への気配りって、想像以上ですね。

奥 様 でも、まだ終わりじゃないんです。搾乳後に乳頭を消毒してあげることも不可欠です。搾乳直後は乳頭口が開き、菌が入りやすくなっていますから。また、牛舎へ戻る前には牛の下肢を消毒します。これも牛がベッドで寝た時に乳頭が脚に触れても大丈夫なようにするためです。

益 子 搾った乳は、この後どうなるんですか。

奥 様 搾った生乳は、パイプを通じてバルククーラーという貯蔵タンクまで、外気に触れずに運び、冷却保管します。また、生乳は最初は38℃と温かいのですが、品質を保つために素早く冷却します。うちでは、バルククーラーに入れる前にプレートクーラーという冷却装置で15℃くらいまで冷やし、さらにバルククーラーでは4℃まで下げ、しっかり貯蔵しています。







ミルキングパーラーの向こうでは、西谷さんが牛舎の清掃を始めています。ローダーを走らせたり、トンボを使ったり、時にはフンを覗き込むように観察もしています。

西 谷 牛舎内の清掃や牛床のベッドメイクは私の分担です。牛が戻ってくる前に、快適で衛生的な環境を作ってあげないとね。

益 子 時々手を止めていますが、何を見ているんですか。

西 谷 フンですよ。牛の体調って、まずフンに出るんです。フンは柔らかすぎないか、フンの中に牧草やコーンなどの未消化物が残っていないかなど、細かくチェックしています。また、ベッドには時たまフンや漏乳があったりしますので、それを除いてやることも乳房炎対策として大切です。その上、3日に1回はベッドのおが粉をすべて入れ替えています。

この他にも、私たちが所属している農業協同組合では、1ヵ月に1度は1頭1頭の牛についての詳細な検査があるのですが、その検査結果をもとに1頭1頭の健康状態やエサやりにも気を配っています。だから、安全・安心な牛乳が作れるんです。


午前9時、タンクローリー車が集乳にやってきました。バルククーラーの生乳は、パイプを通じて直接ローリーへ移され、同時に検査用のサンプルも採取されます。この後、集められた生乳は工場へ運ばれ、厳しい検査を経て、短時間のうちに牛乳・乳製品となって皆様の食卓へ運ばれるのです。

 
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