1997年 新聞広告(1)

今からおよそ30年前、日本には酪農家が約40万人いました。それが3年前には6万人。 現在では4万1千人。30年前の、わずか10分の1です。土を離れていく若者たち。 後継者不足。そうした問題もある一方で、酪農を糧として生計を立ててゆくことに 限界を感じ、やむを得ず、酪農を捨てていった仲間が大勢います。牛とともに生きることを だれよりも愛する酪農家が、酪農を捨てるのは、言葉ではあらわせないほど辛いことです。
今、牛肉や乳製品をはじめとした食品の自由化で、私たちのまわりにはさまざまな輸入食品が あふれています。その中には低価格をアピールする商品も多く見受けられます。 同じ店頭では、牛乳が水より安く販売されているケースもあります。「安いほうがいい」。 私たち酪農家も消費者ですから、その気持ちは痛いほどわかります。しかし、商品には ”適正な価格”があると思うのです。卵と並んで”物価の王様”といわれる牛乳は、この10年間を見ても価格は横バイです。 仮に物価は上がるのに、皆さんのご家庭の収入が今後10年間上昇しないとしたら・・・。いや、むしろ少し下がるとしたら・・・。
ちょっと想像してみてください。まさにそれが、 今、私たち酪農家の置かれている状況です。経営に、将来に不安を感じています。そこで、私たちは生産努力やコストに見合った”生産者乳価”と適正価格での販売を 求めています。もちろん、酪農家にできることは始めています。施設の合理化でコストを抑える。 新鮮さや安全性を求める皆さんの声に応えて設備を改善する。一戸あたりの乳牛頭数を増やして 生産量を維持する。牛の糞尿を利用して堆肥をつくり、日本の土を元気にしようと試みる 酪農家もいます。年間1,600万トン、日本人の主食であるお米とほぼ同じ消費量に応えるために、できる限りの経営努力を続けています。家庭の常備率87%という調査からも明らかなように、多くの人から親しまれる国民飲料”牛乳”。これからもずっと皆さんの健康や食生活を 支えていくために力いっぱいがんばる私たち酪農家を、どうぞご理解ください。

文中の酪農家の数などの数字は、1997年のものです。

 
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