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平成29年度 スキルアップ研修会(東京会場)
ーワークショップー(抜粋)
立野 美香氏
イナ・アソシエーション 代表


 イナ・アソシエーションの立野美香さんを講師に迎え、ワークショップを行いました。
「きく」ことをテーマに、参加者同士がコミュミケーションを取りながら、相手の話を大事に「きく」ことの大切さを学びました。
きちんと話をきけていますか?
 人は意識しないと、自分の心が「何を感じていたか」、今自分が「どんな感じでいるのか」に気付くことができません。
 最近、自分の心と向き合っていますか。今日のワークでは意識して気持ちに向き合ってもらいたいと思います。
 皆さん、話を「きく」ことは得意ですか。
 会話はキャッチボールです。お互い笑顔で声を掛け合うと、キャッチボールはうまくいきます。テキトーに投げるとうまくいきません。今は投げたボールを受け取れない子どもも多いです。思っていることを言わないのです。では、なぜ言わないのでしょう。それは自分を傷つけたくないからです。今の子ども達は人目を気にし、どう見られているかで行動を決めます。子ども達と言いましたが、これはどの年代、どんな組織でも起きていることだと思います。
 相手にどう受け取ってもらえるかはとても大事なことです。大事に話を聞いてもらうことがいかに重要か学んで欲しいと思います。
皆さんの「あり方」が、子ども達にはそのまま伝わると思います。何が出来る、出来ないということではなく、君のことを大事にしているよという感じが伝わるかどうかだと思います。
 皆さんには、本気でこの場に係わって、自分と人と向き合って欲しいと思います。
「きく」ことを意識してたくさん話をきこう!
「研修が終わった時に、こんな気持ちなっていたら来て良かったなと思うことをイメージする」
今日は、そこに向かってワークをしましょう!
ペアを組んで、「話す人」「きく人」を決め、話し合いをしていきました。ペアは3回組み替えをし、たくさんの人と話し、ききました。

きくポイント1
きくに徹し、話さない。質問はよいですが、あくまでも話す人が主人公だということを忘れずに。
きくポイント2
無条件に相手に興味関心を持ってきく。
3つの「きく」
聞く=Hear
(聞こえる、聞き流す)
聴く=Listen聴くは耳に十四の心と書きます。昔は十四の下に一があったそうです。十四の心を一つにしてきく)
訊く=Ask(尋ねる)
 今回は、決して聞き流さないで下さい。分かろうとして聞いたら、気になることがあると思います。そうしたら尋ねてあげて下さい。
よかったこと、よくなかったことを互いに返し合う
 自分が話していた時のことを思い出し、相手がどんな時に話し易かったのか、言葉に詰まったのか、嬉しくなったのかを、お互いに返し合って下さい。
 これはフィードバックと言います。反省ではありません。お母さん鳥がエサを噛みくだき赤ちゃん鳥にあげます。エサの量が多い時、赤ちゃん鳥はお母さん鳥にエサを戻します。これがフィードバックです。フィードバックには愛があるのです。
 フィードバックの時には「I(アイ)メッセージ=私はこう思った」で返してあげて下さい。
「doing」ではなく「being」
 最初のステップは相手に興味を持って聞くことでしたが、次のステップでは「やり方=doing」ではなく、「あり方=being」を聞いて下さい。「あり方」を聞くというのは、その時の相手の気持ちをきき、相手の気持ちに触れてみようと思って聞くことです。

 フィードバックでは、嫌だと思ったこともきちんと伝えてください。嫌だったことを伝え、相手が嫌だったことを知るのが一番の学びです。嫌なことを言うのは勇気がいると思いますが、自分だったら言って欲しいと思いませんか。返して貰うから分かることもあると思います。歳を重ね、役職が上になると言ってくれる人は減ってきます。それは実は寂しいと思います。今日はせっかくのチャンスなので、自分から訊ねてみても良いと思います。
プロセスとコンテンツ
 例えば、きいている人の表情が堅く見えたら、話している最中に「リラックスさせないといけない」と思いませんか? でも、そう思うということは、その時点で主体が話し手(=相手)からきき手(=自分)に移っているのです。
氷山は普段、海から出ている部分しか見えていません。見えている部分は「コンテンツ」です。
「リラックスさせないといけない」というのは見えていない部分。「プロセス」です。
人の学びは、見えてない部分(プロセス)に触れると起こります。内容だけでなく、「それはなぜ?」というところ掘り下げてみると、より話が深まります。
相手とって大事なポイントかなと思ったら、きき直したり、もっときかせて欲しいとアピールしたりして下さい。人は好きな話をする時は、声や身振り手振りが大きくなったりします。あなたが話に寄り添い、本当に一緒に「いた」ならば感じられるはずです。ポイントを逃さずきいてみましょう。
「私は明日から○○○の時、○○します!」
 「明日からこんなことやってみよう」ということを宣言。
 出来るか出来ないかは問題ではありません。今日学んだこと、気が付いたことで明日からやってみようと思ったことを言語化します。どんな場面でどんな行動をするのか自分なりのことでよいです。
 きくことに重きを置くことで、きき方が変わると思います。意識してきいてみて欲しいと思います。今日の宣言を是非明日からやってみて下さい。

イナ・アソシエーション 代表
立野 美香氏


大阪府生まれ。
モットーは、「一人一人がありのままで輝き在る中、共に育ち合うおもろい場をおもろく創造していく!」
 幼稚園に務めた後、フリーでイベントやワークショップ、チームビルディング研修、子育て講座、養成講座などの企画運営、プロデュース、ファシリテーターなどを行う。その後、全国の教育現場や企業で職員研修や人権教育、人間関係トレーニングなどを主な活動とする「マザーアース・エデュケーション」と出会い、スタッフとしてファシリテーターやカウンセラーとして関わる中、自己肯定感の育みの必要性を感じると共に、「教える」「教わる」という関係ではなく、共に育ち合う「共育」の場や存在そのものを認め合える場を創りはじめる。
 2014年10月に独立し、「イナ・アソシエーション」を設立。「場づくりのプロ」として、イベントアドバイザーや企業コンサルティング、個人カウンセリングも行う傍ら、2014年11月より「一般社団法人NOCA」で、行き場のないワカモノと一緒に、<イキル場>と<仕事>を創りだしている。
 平成27年度認証研修会、昨年度はスキルアップ研修会の講師を務める。
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