スゴいぞ!牛乳。飲んだら、ええよう。  >>>                             



令和元年度 酪農教育ファーム『夏の研究集会』−実践事例発表05−
東京都三鷹市立羽沢小学校 校長 亀山 桂子

 今年の3月に本校でわくわくモーモースクールを実施しました。学年ごとに体験内容を変え、「搾乳体験」は1年生と4〜6年生、「子牛とのふれあい」は1〜3年生、「酪農家の仕事」は全学年で体験しました。

1年生の当日の様子
子牛とのふれあい
 母牛が出した牛乳は、本当は子牛が飲むものであることや子牛がよだれをたくさんでしているのは、元気な証拠であることを学ぶことができました。
搾乳体験
 「搾乳体験」ブースでは、実際に手で搾ってみることで、牛の乳房やミルクの温かさに気づきいのちのぬくもりを感じる」という体験のねらいに基づき、酪農家が、「ミルクは、子どもを産んだ母牛だけがだす」という知識を与えたのち「そのミルクはどんなものか確かめてみよう」と活動の指示を与え搾乳体験をさせました。
振り返り
 最後にミルカーで搾乳した生乳を実際にさわり、その温かさを感じました。そして質問をしたり、感謝の気持ちを伝えたりしました。
事前事後の様子
子牛とのふれあい
●体験したいことが体験でき具体的な感想につながった
●子牛の特徴をよくとらえている
●体験したことにより子牛の特徴を具体的にとらえ、実感をともなった感想
 が増えた
搾乳体験について
●搾った牛乳があたたかいことや沢山乳が出ることについての記述が増え
 た。しかし印象が薄かったのか、子どもたちには抽象的なことの理解が
 出来ていなかったように感じた
●酪農家さんに「上手だね」と言われることにより上手に出来たという成功
 体験がまたやりたいという気持ちにつながっていると思われる
●搾りたての牛乳はあたたかいことに驚き、命のぬくもりや食の大切さを感
 じることが出来た
●乳搾り体験を楽しむとともに牛が一生懸命牛乳を出していることを理解し
 ていた
その他
●今回の体験は楽しく、またやってみたいと感じている児童が多かった
●体験自体、質の高いものであると言ってよい
2〜6年生の当日のようす
酪農家の仕事
 酪農家は「牧場は、牛と酪農家が助けあって生活しているところです。牛は人間が食べることができない草を食べて、人間が飲む牛乳を出してくれます。だから酪農家は牛に感謝し、心を込めて世話をしています。」と伝えていただきました。
 牛のふんを肥料にして畑にまき米や野菜、牧草を育て、牧草等を牛が食べてふんを出すというように循環型の酪農について説明していただきました。
 中・高学年の児童には、牧場にはメスしかいないことやオスや乳が出なくなった牛は、処分されて、肉や革などとして余すことなく使われているとこも話していただきました。
 私たち人間が牛をはじめとする動物から命をいただいていることから「いただきます」の意味を話していただきました。
振り返り
 最後にミルカーで搾乳した牛乳を実際にさわり、その温かさを感じました。そして質問をしたり、感謝の気持ちを伝えたりしました。
効果検証
搾乳体験・牛の観察
 大きな母牛に触っている絵です。牛の大きさやおとなしさがよく分かります。このメス牛のエマさんは3歳ですが、とてもおとなしくさわった時のぬくもりを感じています。
 「エマさんは1年間高校に預けられていたそうです。その高校の生徒が朝晩体を洗う、えさをやる、散歩することを欠かさずやっていたのでおとなしく育ったそうです」と5年生の児童が書いていました。

成果
●搾乳体験と酪農家の説明の相乗効果、牛を前にしての体験とお話の相乗効
 果があったと思われます
●体温を感じ、命のぬくもりを実感
●大きさ、おとなしさ、乳房のやわらかさを実感
●搾乳の仕方等についての記述も増えた

課題
●妊娠、出産をしないと乳が出ない事、母牛から牛乳をわけてもらっている
 事は理解しているようですが、はっきりとした記述は増えていない
カリキュラムマネジメントにつなげていくために
●自校のカリキュラムの中に位置づけて、実践しながらより良いものにして
 いく
●食育や給食指導としても短い時間の中でも扱うようにする
●教科横断的な「わくわくモーモースクール」の体験を中心とするする単元
 を充実させる
●関連させた他教科の学習を深めるとともに、牛や酪農への思いをさらに高
 めるという点で相乗効果を生む
●教科縦断的に学年の発達段階に合わせてアレンジしながら実施していく
●地域に開かれたカリキュラムに位置づけながら地域性や人材を活かしなが
 ら実施する
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