フランス 教育ファーム現地レポート
教育ファームの成り立ち
フランスにおける教育ファーム第1号は、1974年にリールに設立された市営「マルセル・デナン農場(Ferme Marcel Dhenin)」です。リールをはじめフランスの各地域では、戦後、離農者が増大し、人口が都市部に流入しました。そのため都市部では、農業を全く知らない市民が多くなりました。このような事態に危機感を募らせた行政が、市営の教育ファームを設立し、都市部の子どもたちが農業や自然環境などについて学習できる場を提供するようになりました。そして、1980年代後半になると、農家が取り組む教育ファームが急増します。これは農業の機械化及び大規模化によって農業従事者数が減少し、都市部以外の地域でも、農業を知らない住民が多くなり、それを危惧した農家が自ら農場を地域住民に開放し、農業に対する理解を求め始めたためです。このような状況を受けフランス政府や地方議会、県等の行政は教育ファームを積極的に指導し、援助するようになりました。
3つの経営タイプを持つ教育ファーム
現在、フランス国内では1400件の教育ファームがありますが、それらの経営タイプは、次の3つに分けられます。
1,農家タイプ
農業を営みながら、副業的に児童、生徒などを受け入れている牧場や農場。

2,モデル農場タイプ
教育目的に設立された農場で、農業生産による収益はほとんどない都市型農場。

3,中間タイプ
農業生産と教育ファームなどの受け入れが同等の重要性を持つ、1と2の中間タイプ。

そして教育ファーム数としては、全体の6割を農家タイプが占めています。しかし、受け入れ人数を見ると、大人数の受け入れが可能なモデル農場タイプが最も多く、農家タイプはそれの50%以下に留まっています(図1)。
子どもが過半数を占める訪問者
教育ファームは、農業や自然とふれあう機会が少ない都市部や工業化が進んで環境問題に敏感な地域に多く見られます。中でも最も数が多いのは、教育ファームの発祥の地、フランス第3の都市リールがあるノール・パ・ド・カレ地方で、次いで首都パリがあるイル・ド・フランス地方、フランス第2の都市リヨンを中心とするローヌ・アルプ地方と続きます。そして2番目に教育ファームの数が多い、イル・ド・フランス地方での訪問者を見てみると、子どもが50%以上を占め(図2)、その内訳としては、就学児童が77%以上になっています(図3)。さらに就学児童の中でも、幼稚園児が50%以上を占め(図4)このような状況から判断しても、幼少期における農業体験がいかに重要視されているかが理解できます。
イル・ド・フランス地方の訪問者
フォトギャラリー
ツール 教育ファームの先進国、フランスで見つけた教育ツールを写真で紹介します。
体験内容 フランスで体験模様を写真で紹介します。
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