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平成20年度受入実態調査報告(通年)
1.受入団体及び受入者数
 平成20年度の認証牧場(調査回収件数/上半期219牧場・下半期257牧場)における受入者数は約70万6千人、受入団体数は約2万9千団体となり、平成19年度と比較して、受入団体数で約20%程度減少したものの、受入者数で約2%増加する結果となった。
これは、認証牧場数の増加に加え、酪農教育ファームの活動が着実に広く普及してきていることを表している。また、食品偽装や食料品価格の値上げにより食料自給率の問題が大きく取り上げられるなど、わが国を巡る「食」や農林水産業に対する社会的関心の高まり、学校教育における「食育」「いのちの教育」の重要性が認識され、その学習手法である体験学習活動の需要が高まったことも要因として挙げられる。

(注)調査結果について、19年度までの受入実態調査は、単に来場者数の報告を受けていたが、20年度(本調査)からは『実際に体験を受けた来場者数の報告』という方式に変更したため、受入人数等で前年との比較が正確には行えない事に留意して欲しい。
 平成20年度の受入なしの認証牧場数は69牧場となっており、平成19年度実績(7牧場)と比較して大幅に増加している。
これは平成20年度の新規認証牧場のうち、次年度以降から受入を開始する予定の牧場が14牧場あったことや、飼料の価格高騰等により酪農経営が悪化し、酪農教育ファーム活動を酪農経営の一環として位置づけていない認証牧場での体験受入が消極的であったこと、調査回収率が100%となったことなどが要因であると推測される。
 平成20年度の新規認証牧場の特徴的な点は、認証牧場になってから初めて消費者受入を行う牧場、今まで消費者受入を積極的に実施していなかった公共育成牧場や個人経営の牧場などで構成されていることであり、結果的に20年度新規認証牧場数は増加したが、全体では受入団体数・受入人数ともに低調に推移した。しかしながら、既認証牧場の受入実績からもわかるように、認証牧場の面的な広がりは確実に図られており、消費者と牧場の交流機会がより身近なものとなってきていると考えられる。
なお、新規認証牧場の1団体あたり受入人数が突出して多いのは、観光型の新規認証牧場1件の実績に影響されているためである。
2.月別の受入状況
 月別では、団体数・人数とも春から秋までの上半期が多く、冬季は全体的に団体数・人数とも少ない。この傾向は過去の実態を見ても大きな変化はない。
平成20年度は、6月・8月・10月に受入人数が前年度を上回っている。特に8月については、受入団体数が前年度を下回っているが、逆に受入人数は前年度を上回っていることから、個人の訪問が大幅に増加していると考えられる。
このことから、夏季休暇中の余暇の場として牧場を選択する一般消費者が増加していると考えられるが、同時に子ども達が「食」や「いのち」について何らかの学びを得ることが牧場に期待されていることの現れとも推察される。
また、平成20年度下半期の受入実績、特に受入団体数が増加しているが、酪農は耕種農業と異なり年間を通して同じ体験(搾乳や哺乳、餌やりなど)ができることもあり、冬季の受入についてニーズを掘り下げることで更なる発展が見込まれる。
3.団体種類別の受入状況
 家族連れ等の個人は団体数・人数ともに減少したが、小・中学校等の教育機関の団体数で前年比119%、人数については同117%と増加している。平成20年度については、学校等の教育機関と連携した活動が活発になされたといえる。背景として、学校現場を含めた教育機関での酪農教育ファーム活動に対するニーズの高まりが挙げられる。
4.地域別の受入状況
 平成20年度の地域別受入実態で、受入団体数が多いのは、北海道、関東、受入人数は関東が突出して多く、首都圏生活者が近隣の認証牧場を訪れていることがわかる。
5.出前教室型活動の取組状況
 昨今、牧場に行けない学校等への対応策として「出前教室」が増加する傾向にある。そこで今回初めて認証牧場に対して、出前教室型の酪農体験学習活動を実施したかどうかについても調査をおこなった。
出前教室を実施している認証牧場は47牧場であり、全体の18%となっている。
(グラフ3):実施方法としては継続型より1回のみの実施が圧倒的に多かった。また、教育機関以外のイベントや子供会等で多く利用されていることが分かった。
(グラフ4):月別に見ると、牧場での受入と比較して、出前教室は5?6月(春期)に多く、8月(夏期)に低いことがわかる。また、2月(冬季)も比較的需要がある。
このことから、出前教室は牧場での受入が少なくなる時期(春季・冬季)における酪農教育ファーム活動の一環として位置づけられる傾向があると推察される。
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