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酪農理解促進緊急活動
中酪、20年度も酪農理解促進緊急活動を継続
 4月からの牛乳小売価格の値上げによる消費への悪影響や、配合飼料価格の続騰で生産コストが増嵩し、酪農生産基盤の弱体化が懸念されている。このため、中央酪農会議は生乳生産コストの適正な価格転嫁や牛乳小売価格の値上げによる消費減退を緩和する観点から、20年度も引き続き、「酪農理解促進生産者緊急活動」を実施することを決定した。なお、活動に際しては、生産者の努力では吸収し得ない生産コストの上昇に係る酪農現場の窮状への理解を求め、価格反映に向けた環境整備を図っていくことに重点を置くこととした。

値上げによる消費減防ぐ コスト増嵩分の再転嫁に理解求める
 配合飼料価格の高騰に伴う生乳生産コストの増嵩分の一部を転嫁するため、指定団体と乳業メーカーは20年度の乳価交渉で、4月1日から飲用乳価1キロ当たり3円を値上げすることで決着した。乳業メーカーはこれを受けて、量販店などへの牛乳の納入価格を引き上げ、これと連動する形で牛乳の小売価格も4月から値上がりしている。なお、牛乳をはじめとする様々な食品価格上昇についてTVや新聞等でも多く取り上げられるなど、消費者の関心は高まっており、小売価格上昇に伴う牛乳消費量のさらなる減少が懸念されている。
 一方、酪農生産現場では、生産コスト増嵩分の一部を20年度の飲用乳価に転嫁したものの、飲用乳価の3円値上げでは必要な生産コストの実現に至っていないとともに、また配合飼料価格は直近においてもさらに高騰していることを踏まえると、今後の酪農生産基盤の安定のためには追加的な乳価引き上げが必要となっている。このため、中酪は20年度も「酪農理解促進生産者緊急活動」を実施することを決定し、引き続き、消費者に酪農の窮状を訴える活動を実施する。
 なお、本会が実施した消費者ヒアリングによると、昨年度の活動も含め、これまでになく一般紙等にも多く取り上げられ報道され、消費者には値上げがかなり浸透したことから、「値上げはやむ無し」と考えている状況にあるものの、まだ酪農家への現状への理解は十分ではなく、値上げに対して「納得」しているわけではないことが判明した。
 このため、活動の方針は、

1. 消費者の牛乳価格の値上げに対する「納得感」を醸成するため、酪農の現状と酪農生産現場での安全性と品質への努力について適切な情報を発信する
2. メディアや流通にも酪農の現状を的確に伝えて理解を深めてもらい、消費者の理解促進につなげる

としている。

活動の「ヤマ場」を設定し、全国的な盛り上がりを
 20年度の緊急活動のポイントとしては、活動期間の盛り上がりを設定し、再値上げに対する消費者の理解醸成を図る。
 具体的には、6月1日の「牛乳の日」と6月の「牛乳月間」から、広報や街頭キャンペーンなどの活動を重点的に実施することでメディアが取り上げやすい環境を作り出し、各媒体を通じて値上げの背景や理由を消費者、流通業者などに広く伝えることで再値上げへの理解を醸成する。また、地域の酪農家が同時期に牧場を開放する8月の「オープンファームデイ」等での消費者交流やイベント等での理解醸成活動を通じて、消費者の牛乳に対する意識を持たせ続けることとしている。
 なお、これらの活動は、中酪が取り組む「全国段階」と、指定団体・会員農協などが取り組む「地域段階」に分け、それぞれの活動を連動させて取り組むことで、より効果的に、かつ全国的な盛り上がりをつくり、幅広く国民に訴えかけていくこととしている。

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