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計画生産
計画生産、3年ぶりの「増産」決定
 中央酪農会議は昨年12月の理事会で平成20年度の生乳計画生産を3年ぶりの「増産型」に転換することを正式に決定した。具体的に指定団体に配分する計画生産数量は、日本酪農乳業協会の生乳需要予測数量を踏まえ、今年2月7日の理事会で決定する。理事会ではまた、昨年8月に未承認の動物医薬品を無診療で販売していた事実が判明したことから、会員組織を通じて酪農家に注意喚起する対応方針を報告した。

北海道は103%、都府県は100%の増産
 中酪は昨年12月19日の理事会で20年度の生乳計画生産対策の基本方針を正式決定した。計画生産の特徴は、飼料価格の高騰などに伴う生産コストの増加や2年連続の減産型計画生産で生乳生産基盤が弱体化する一方、乳製品の国際相場の高騰や北海道でのチーズ増産体制が本格化することで、北海道で生乳需給のひっ迫が見込まれることから、3年ぶりに「増産」に転換することとなった。
 具体的な計画生産数量は、日本酪農乳業協会が1月下旬に発表する20年度の生乳需要予測量を踏まえて決定するが、今のところ、北海道の生乳計画生産目標数量は前年比103%、都府県は100%となっている。
 ただ、20年春から飲用牛乳の小売価格が値上げされる予定のため、飲用牛乳の消費量がさらに減少し、飲用地帯の都府県では時期的な余乳の発生や、予期せぬ生乳需給の変化が生じるのではないかと心配されている。このため、今回の計画生産対策では、生乳需給の緩和に備え、調整乳数量を生産枠として配分するとともに、当該生産枠の配分を受けた指定団体が連携して需給調整に取り組む「とも補償対策」の導入を決めた。
 とも補償対策の具体的な仕組みはまだ決まっていないが、例えば、都府県で発生した余乳を乳製品向け生乳が不足する北海道に移送した場合、都府県の指定団体がその費用などを負担する仕組みなどをタタキ台に協議を進めている。

中期計画生産は20年度上期に方針示す
 また、12月の理事会では、20年度の計画生産対策の議論の中で浮上した「中期的な計画生産対策」の取り扱いについても決定した。生乳需要をめぐる環境は極めて不透明な状況にあり、中期的な需要の動向を予測することは難しいが、今後とも酪農生産基盤を強化、確保していくために20年度上半期に中期的な計画生産の実施について検討し、一定の方向性をとりまとめる方針を決めた。
 ただ、中期的計画生産の検討の際には、万が一生乳需給が緩和した場合の余乳発生リスクを全国で平準化し、その余乳で製造した過剰乳製品を処理する仕組みなど需給が緩和した場合の対応策や、その対策に必要な財源の確保なども議論し、減産型計画生産を回避できる仕組みを検討することにしている。

未承認動物医薬品の使用禁止を周知徹底
 熊本県の獣医師が昨年8月、未承認の動物医薬品を無診療で販売し、使用農家のうち1戸が休薬期間の誤認で生乳を出荷したため、乳業者においては当該生乳及びこれにかかる出荷前製品などの自主破棄で損害が生じることとなった。また、当該獣医師については、現在獣医師法違反に問われている。
 購入した動物医薬品が未承認医薬品であること及び無診察での要指示医薬品の販売等が禁じられていることを承知で、当該動物医薬品を購入していた場合、当該酪農家についても、薬事法違反となる恐れがある。また、当該動物用医薬品を使用した酪農家の生乳が出荷されることによって、合乳された生乳及びこれを原料として製造された製品の廃棄や自主回収にかかる費用は、場合によっては、地域酪農及び乳業者に壊滅的な打撃を与えるほどの莫大な水準(数十億円)になることも想定される。
 このため、生乳の生産現場においては、1.ラベルのない医薬品は使用しない、2.ラベルの指示通りに使用しなければならない。獣医師がラベルと異なる指示をする場合は獣医師に確認を行なう、3.そもそも信頼できる獣医師に診療を依頼する、の3点に留意する必要がある。

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