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2006.WINTER Vol.29
VOICE

酪農教育ファーム
酪農教育ファーム
平成17年度活動における経過報告
農教育ファーム推進委員会が設立されてから7年。
今年度は、さらなる発展をめざし、新たな活動を展開しています。
ここで、これまでの活動経緯と今年度の取り組みについてご紹介いたします。

酪農教育ファーム推進委員会
 「牧場の持つ多面的・公益的機能を維持・発展させていくため、生産現場である牧場を開放し、国民の理解と支持を得ていきたい」という酪農家の思いと、「子どもたちにいのちや食の大切さを理解させ、豊かな心を育むため、子どもたち自らが主体となる体験学習を教育課程のなかに取り入れたい」という教育関係者の思いがひとつになり、牧場を開放して体験学習の場を提供する「酪農教育ファーム」活動が全国各地で行われています。
 このような牧場を舞台とした教育活動を支援し、日本における酪農教育ファーム活動の推進をめざすため、平成10年7月に酪農教育ファーム推進委員会が設立されました。それ以降、教育関係者に対する普及啓発活動や体験プログラムの開発、認証制度の創設・運営等、様々な活動を行い(表1参照)、一定程度の基盤が確立されました。

平成17年度活動の2つの柱
 一方で、酪農教育ファーム活動のさらなる発展をめざすためには、1当活動を、従来の全国活動だけでなく、地域活動も視野に入れた面的な広がりをもたせる2個々の牧場における活動の質的向上をめざす、の2点が今後の課題として挙げられました。
 このようなことをかんがみ、今年度からは次の新しい取り組みを展開することになりました。

1.酪農教育ファーム地域推進委員 会の設立(指定生乳生産者団体)
 酪農教育ファーム活動の面的な広がりを図るため、指定生乳生産者団体(指定団体)に酪農教育ファーム地域推進委員会を設立します。
 地域推進委員会では、全国活動との連携を図りつつ、各地で児童・生徒の受け入れを実践している酪農家の掘り起こしを行い、酪農教育ファーム認証牧場の拡充を図ると同時に、教育関係者とのネットワークを作る等、各々の地域で独自の活動をめざします。


2.スキルアップ研修会の開催
 すでに教育ファーム活動を展開している酪農家を対象とした実践研修会を開催します。「体験を効果的に学びにつなげる」という点を重視した研修会として、活動の質的向上を図ります。

平成17年度活動の経過報告
このように、今年度は大きく2つの目標を立て、中央酪農会議及び指定団体(地域推進委員会)の2段構えで酪農教育ファーム活動を推進していますので、ご報告いたします。

1.酪農教育ファーム地域推進委員会の設立
 今年度から立ち上がった「酪農教育ファーム地域推進委員会」は7件。教育関係者や地域交流牧場全国連絡会地域ブロックと連携しながら、地域の特色を生かした活動を展開しています(表2参照)。

2.スキルアップ研修会の開催
 牧場での体験受け入れに係る技術研鑽を目指して、スキルアップ研修会を開催しました。今年度は、らくのうマザーズ阿蘇ミルク牧場(熊本県)とこどもの国牧場(神奈川県)の2カ所で開催し、合計47名の酪農教育ファーム指導者等が研修を受講しました。  1泊2日の日程で開催された当研修会では、1日目は講義中心の研修、2日目は実践研修としました(表3参照)。  講義については、酪農をめぐる情勢、酪農教育ファームの意義や食育の観点からの期待、酪農の持つ教育的効果、牧場での安全・衛生対策、PR活動と、様々な方面から酪農教育ファーム活動を捉え、当活動の意義の再確認や今後の展開方法についての学習をしました(写真1)。  2日目の実践研修は、酪農教育ファームの目的である「酪農体験を通して食といのちの学びを支援する」のもつ本来の意味を、様々な体験を通して実感・再確認することができました(写真2)。  参加者は「とかく酪農についての知識を教えがちになってしまっていたが、今後は、子どもたちの興味や意欲を引き出して、子どもたちの自発的な学びを支援するというスタンスで受け入れたい」と、酪農教育ファーム活動に取り組む気持ちを新たにしていました。

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