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2005.WINTER Vol.25
VOICE

タイトル01
平成16年度に748万600トン(新規就農枠1万トンを除く/前年実績比96.7%)でスタートした販売基準数量は、3指定団体からアウトサイダー・インサイダーによる今年度対象の異動数量1488トンの申請があり、現段階の販売基準数量は748万2千トンとなっています。また、新規枠数量として、3指定団体より新規就農枠の上限1万トンを超える1万838トンの申請が行われています。
 脱脂粉乳対策として、ホクレンより2万116トンの脱脂粉乳在庫対策枠(輸入調整粉乳との置き換え等、新規用途脱脂粉乳向け生乳の販売、飼料用脱脂粉乳の販売等)の計画申請があり、計画承認されました。4〜9月の実績は、9078トンです。
 計画生産の実績見込みは、10月下旬に実施した指定団体へのヒアリング及びJ-MILKの予測モデルを参考に試算すると、猛暑や災害などの影響もあり、下期の生産は九州を除いて全国的に減少傾向となり、北海道で前年比99.4〜99.3%、都府県で98.7〜99.1%、全国99.0〜99.2%となる見込みです。
 なお、1%アローワンスを考慮すると、北陸が3千トン弱、東海で1千トン弱、近畿で3千トン弱、中国で1千トン程度の未達、九州では3千〜6千トンの超過が見込まれます。ただし、下期の導入牛の進捗状況、離農の状況及び災害の影響いかんによっては、未達・超過数量幅の拡大が見込まれる懸念もあります。
 販売基準数量の指定団体間調整について、九州は計画生産数量を超過、北陸・東海・近畿・中国は未達の恐れがあることから、実施要領に基づき、東日本及び西日本で十分な協議を行った上で、最大限の調整を試みる予定です。なお、東日本及び西日本の指定団体間の調整ができない場合には、都府県全体で行い、それもむずかしい場合は、全国で協議し調整することとなります。
 個人枠の流動化の実施については、実施要領上、必要に応じて実施することができますが、16年度はブロック間及び全国での指定団体間調整を適切に行うことが重要であり、それでもなお調整の必要性がある場合に実施を検討することとします。
 新規就農枠について、限度の1万トンを超える希望がありますが、就農を開始した者から順に設定を行い、実施要領に基づき1万トンを超えた時点で原則、枠の設定は終了することとします。
 脱脂粉乳対策枠については、在庫対策を実施した指定団体は、実施要領に基づき、実績に応じて脱脂粉乳在庫対策枠を追加設定します。


 平成17年度の需給見通しは、1月28日のJ-MILK理事会で正式なものが出ます。これに基づき、具体的な計画生産量も確定することになりますが、平成16年9月までのデータで大胆に予測しますと以下の通りです。
 全国の生乳生産量は、北海道で一定の飼養頭数が確保されているものの、都府県での生産基盤の弱体化が影響し、生産は減少すると見られます。このため、17年度は16年度見込み対比、約1%程度の減少となる見込みです。  地域別では、北海道で、16年度猛暑の影響は心配されるものの、飼養頭数は確保されており、16年度見込み対比、約1%程度増加する見込みです。また、都府県では、地域的に小規模層を中心とした廃業、頭数減少が続くと見られることや、16年度猛暑により種付の状況等が悪くなっていると推測されます。また、16年度に伸長した地域も一巡して前年割れとなる見込みから、16年度見込み対比、約2%程度減少する見込みです。
 牛乳等向け生乳需要の見通しとして、少子高齢化等による長期減少トレンドに加え、引き続き、他飲料との競合等により需要は減退すると見られ、17年度はさらに16年度見込み対比、約1%程度減少となる見込みです。
 乳製品向け生乳需要の見通しとしては、健康志向から発酵乳が引き続き増加、生クリーム等についても拡大する見通しから16年度見込み対比、2%程度増加と予想されます。しかし、特定乳製品向け生乳需要は、脱脂粉乳ベースでは16年度見込み(脱脂粉乳対策を含む)対比、約13%もの減少となると予想され、この結果、乳製品向け生乳需要全体は、16年度見込み(脱脂粉乳対策を含む)対比、約8%程度減少の見込みです。
 全体として、牛乳等向け、乳製品向けともに需要が減少すると見られ、生乳の通常需要全体では、16年度見込み(脱脂粉乳対策を含む)対比、約4%弱程度減少する見込みとなります。
乳製品向け生乳供給の見通しとしては、生乳生産が比較的堅調だった16年度よりは落ち着いた状況となると予想され、16年度見込み対比約1%程度の減少となる見込みです。
 主要乳製品在庫について、脱脂粉乳の生産量は特定乳製品向け生乳が減少する見通しのため、16年度見込み対比1〜2%程度減少すると見られますが、需要量は10%強減少(脱脂粉乳対策を除く)と、さらに減少する見込みです。この結果、16年度末見込みに比べ、何もしなければ、約1カ月程度増加し、在庫水準は8カ月を超えると危惧されます。
 バターの生産量は、特定乳製品向け生乳の減少見通しを受け、16年度見込み対比2%程度減少すると見られますが、需要量も2%程度減少すると見込まれます。在庫は16年度期末水準を上回り、4カ月程度となる見通しです。
 平成17年度の計画生産の考え方は、生乳需給の改善を図る実効性のある取り組みを推進することを基本としますが、酪農家の高齢化を背景に生乳生産基盤が脆弱化している現状を踏まえ、酪農家の生産意欲の減退や円滑な規模拡大の推進を妨げないことに配慮しながら実施することにしています。
 そのために通常の需要に即した販売基準数量を定め、これで不足する地域は、既存需要と競合しない特別枠を設定するという、二段階方式で行います。この二段階設定で生乳生産基盤の脆弱化を防ぎながら需給均衡を図ることにしています。
 しかし、需要に見合った計画生産のみでは、縮小均衡に陥りかねません。それには、まず「生乳の需要拡大対策」が必要です。このため平成17年度は、生産者自らがある程度の財源を拠出して、積極的な需要拡大対策を実施することにしています。




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