スゴいぞ!牛乳。飲んだら、ええよう。  >>>                             



2004.SUMMER Vol.23
VOICE






 北海道の生乳生産は増産基調で推移したことから、15年度は3年連続で過去最高の乳量を更新しました。生産が好調な要因は飼養頭数の増加、個体乳量の伸び、離農率の低下等が挙げられます。16年4月は23カ月ぶりに前年を下回りましたが、直近においては再び前年を上回っており、今後の生乳生産の動向が注目されます。
 都府県の15年度の生乳生産は、年度を通じて前年を下回って推移しましたが、記録的な冷夏で牛体の痛みが少なかったことから、これまで伸び悩んでいた個体乳量の増加がみられ、生産量維持の要因となりました。直近においては、昨年の冷夏による受胎率の向上により、前年を上回る地域もありますが、7月以降は前年の反動もあり、停滞基調で推移すると考えられます。




 飲用向け需要は、昨夏以降、牛乳消費が低迷していることから、停滞基調で推移しています。また、4月から小売店における消費税総額表示による消費者の購買心理への影響や、競合飲料としての茶系飲料、アミノ酸を添加した機能性ニアウォーターなどの旺盛な商品開発・広告宣伝活動などが影響している模様です。この飲用需要の不調を受けて、乳製品向け処理量は増加しています。そのため、北海道からの移出生乳も前年割れとなっており、道内の乳製品工場も異例のフル操業となっている模様。ただし、夏場を中心とした最需要期には、都府県における生乳不足が懸念されており、適切な広域生乳需給調整が必要です。




 脱脂粉乳の需要は、15年度下期に還元乳消費が前年を上回って推移しましたが、依然、その水準は低いことから過剰在庫の解消にはつながらず、年度末在庫量は前年度を上回りました。一方、バターに関しても、特定乳製品向け処理量の増大を受け製造量が前年を上回ったことや、カレントアクセス分の輸入バター売渡の実施により、3年ぶりに年度末在庫量が前年度を上回りました。なお、懸念される脱脂粉乳過剰在庫については、生・処で取り組んだ輸入調製品との置き替え効果も現れてきており、今後とも確実な対策の促進が望まれます。







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