スゴいぞ!牛乳。飲んだら、ええよう。  >>>                             



2004.SUMMER Vol.23
VOICE




 16年度乳価交渉に当たって、生乳生産の状況は、北海道で依然として好調を維持し、都府県でも夏場の気候が冷涼だったことなどから堅調に推移しました。しかし、その一方で、生乳需要は、飲用牛乳の消費が天候要因等から停滞基調に転じるとともに、これにともなって脱脂粉乳の過剰在庫が一層深刻な状況となったことから、生乳の需給は過剰基調となりました。



 16年度の乳価交渉についての基本的な考え方は、中長期的には酪農生産の維持に必要な生産
費を賄える価格の実現を目指すが、直近では、過剰状態にある生乳需給が好転する見通しがたたないことなど、大幅値上げが実現する環境にないことから、より実現可能な要求とする方向で交渉が行われることとなりました。
 さらに生産振興対策や乳質問題、都府県における余乳処理問題などについて生・処で協調して解決すべき課題も少なくないことから、これらの解決を図るためにも、乳価交渉については早期の妥結を目指すこととしました。



 生乳生産基盤の弱体化が懸念されているなかで、計画生産の実施に当たっては、酪農家の生産意欲を削がないように工夫す
ることが重要であり、このためには、過剰基調にある生乳需給を一挙に改善させるような低い水準での計画生産数量を設定することは困難でした。
 また、交渉を有効に進めるための体制整備が遅れていることなどもあり、交渉の長期化は必ずしも良好な結果とならないことからも、早期に決着することが必要という判断がなされました。
 こうしたことから、現行価格以上を基本に、地域の実態を踏まえた提案型の乳価交渉が行われました。



  以上の結果、飲用牛乳等向け生乳、はっ酵乳等向け生乳に係る乳価については、全国的にみて
、概ね5月中には「据置き」で早期の妥結が図られました。また、加工原料乳についても、概ね「据置き」の方向で妥結が図られつつあります。



 乳価交渉が従来になく早期決着したことを受け、今後の生乳取引を円滑に進めるため、「乳成分取引の見直し・適正化、都府県における加工原料乳(余乳)の取引・処理の適正化・効率化」等の諸課題について、生・処で協調した取り組みを行うことが必要であり、指定団体を中心にした取り組みを早期に開始することが期待されます。




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