計画生産の実績は、供給目標達成対策(脱脂粉乳過剰在庫対策)による生乳需要増加見込み分、アウトイン異動による修正等の目標数量の追加を踏まえた全国の供給目標及び当初の生産予測値とほぼ同水準となる見通しです。 しかし、全体の需給としては、1天候要因等により全体としての飲用需要の減少が見込まれること、2その他乳製品向け需要も減少が見込まれること、3夏場を中心とした都府県の飲用需要減に伴い、増産基調にある北海道での特定乳製品向け量が増加したこと、等から脱脂粉乳在庫がさらに積み増す事態となっています。現状の基調では15年度末に10万トン程度、16年度末にはさらに増加することも見込まれます。 このような状況のもと、去る11月13日には、生産者代表等で構成する需給調整等委員会で、来年度の計画生産の方針について協議を行ないましたが、厳しい需給事情のもと、従来とは異なった対策の必要性について理解されたものの、「生産意欲の減退を招くような減産は避けるべき」、「消費減退のつけを計画生産のみで解決するのは困難であり、乳業も具体的な対策を講じるべき」、「生産者でも全国的な協力の下で過剰在庫対策を実施するべき」、といった意見も出されました。こうした意見を踏まえ、今後は、指定団体の実務担当者等と、16年度計画生産の具体的な手法について検討を行なうこととしています。なお、次年度計画生産の方針・手法・全国供給目標等を、2月12日開催予定の需給調整等委員会で協議・決定する予定です。 次年度の生乳需要の見通しも含めて、情勢は非常に厳しいものがありますが、16年度の計画生産対策の策定にあたっては、これ以上の脱脂粉乳の在庫積み増しを避けることが至上命題となります。また、中長期的にみて、国際交渉の結末・家畜排せつ物法等の生産現場への影響等の捉え方も焦点となります。脱脂粉乳需給の悪化が、余乳処理・生乳取引等に悪影響を及ぼさないためにも、適正な計画生産対応を講じることが、これまで以上に求められます。