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2003.SUMMER Vol.19
VOICE





停滞色を強める都府県の生乳生産
 北海道の生乳生産は増産基調で推移し、14年度は前年度に引き続き、過去最高の乳量を更新しました。直近でも、搾乳牛頭数の増加を背景に堅調に推移しています。
 都府県は、14年度下期以降停滞色を強めており、直近でも、沖縄を除く全地域で前年を下回っています。搾乳牛・飼養頭数がともに減少していることに加え、BSEの影響や一時的に生産が維持された昨年の反動もあり、当面、生産量の好転を期待することはむずかしいと考えられます。



懸念される需要期の生乳不足
 飲用向け需要は引き続き、好調を維持しています。春休みの学乳休止期・ゴールデンウィーク期間中の余乳発生もありませんでした。酪農乳業情報センターによると、15年度飲用向け需要は好調であった前年並みで推移すると予測されています。そのため、都府県における生乳生産の落ち込みも相まって、需要期の生乳逼迫が昨年以上に厳しくなると考えられます。特に、9月には北海道から昨年実績を上回る生乳を搬出する必要があることが予想されており、需要期を中心とした生乳不足が懸念されます。


今後の動向が注視される乳製品需給
 脱脂粉乳の需要は、14年度は前年並み水準を維持したため、在庫が大きく積み増すことはありませんでしたが、依然、高い水準で推移し、センターの予測によると15年度期末在庫は更なる積み増しを招くことも見通されています。このようななかで、ホクレンの自主対策により輸入調製品との置き換えによる需要増が見込まれるとともに、国が措置した過剰在庫対策特別事業による需給改善も期待されます。

 一方、バターに関しては、特定乳製品向け処理量の減少を受け、製造量は前年を下回って推移しています。また、品目によっては在庫が極端に少ない状態が続いています。このようななか、5月末には14年度分のカレントアクセスバターの売渡入札が実施されました。また、15年度のカレントアクセスもバターの輸入で対応することが予定されるなど、今後の動向が注視されます。






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