スゴいぞ!牛乳。飲んだら、ええよう。  >>>                             



2003.SUMMER Vol.19
VOICE






 BSE(牛海綿状脳症)発生の影響は広範囲にわたり、酪農経営においては、老廃牛の出荷停滞に起因した乳用牛の更新の遅れや泌乳量の低下等が認められる状況となっています。また、乳用牛の改良についても多大な混乱が生じているところです。
 このため、酪農生産基盤である優良乳用後継牛群の整備を推進し、産乳成績の停滞を回復することを目的とした乳用牛群飼養管理技術の改善等を行うための措置を緊急的に実施することで、酪農経営の生産性の向上に資することとなりました。
 この事業は次の2つから構成されています。

1 緊急優良乳用後継牛群整備対策事業
 優良乳用牛を確保するため、高能力な雄牛と雌牛を交配する生産者に対し、交配または受精卵移植奨励金を交付する(事業主体/中央酪農会議)。

2 緊急乳用牛群飼養管理技術向上対策事業
 乳用牛の飼養管理技術の改善を図るため、地域での飼養管理改善計画の策定、繁殖情報等に関する調査・集計、給与飼料の成分、血液成分等の分析を行う(家畜改良事業団)。

 この事業のしくみについては、表の「緊急酪農生産基盤改善支援対策事業実施要領のポイント」をご参照ください。



 ここでは、中央酪農会議が行う「緊急優良乳用後継牛群整備対策事業」の内容について詳しく紹介することといたします。
 この事業では、優良な種雄牛と乳用雌牛の交配、または受精卵の移植により優良な後継牛を確保しようとする生産者に対し、次に掲げる交配奨励金、または受精卵移植奨励金が交付されます。


次に掲げる要件を満たしている交配とする。
●交配の対象となる雌牛要件
1 牛群検定に参加している牛であること。
2 牛群検定牛のなかで、その成績が1〜50%の牛であること。
3 ホルスタイン種牛登録規程に基づき登録されている牛であること。

●交配の対象となる種雄牛の要件
1 家畜改良センターが公表した乳用種雄牛評価成績に記載された種雄牛であって、総合指数上位10位以内、またはこれに準ずる牛であること。
2 海外で飼養されている種雄牛のうち、1に掲げる牛と同等の能力を有する牛であること。

●調整交配を実施している候補種雄牛であって、交配の対象となる雌牛が、ホルスタイン種牛登録規程により登録されている牛であること。


 次の要件を満たしている交配とする。
●交配の対象となる雌牛の要件
1 牛群検定牛であること。
2 ホルスタイン及びジャージー種牛登録規程に基づき登録されている牛であること。

●交配の対象となる種雄牛の要件
1 改良センターが公表した乳用種雄牛評価成績に記載された種雄牛であって、総合指数上位40位以内の牛であること。
2 海外で飼養されている種雄牛のうち、1に掲げる牛と同等の能力を有する牛であること。



●交配の対象となる種雄牛は、「優良後継雌牛を生産するための交配」で掲げた牛であること。


 次の要件を満たす受精卵移植に対し、交付するものとする。
●生産者の策定する受精卵移植計画に沿って行われた受精卵移植であること。
●移植する受精卵は、次に掲げる要件を満たすものであること。
1 牛群改良情報のうち個体情報及び参考情報に記載されている牛群検定牛であって、パーセント順位が1〜5%の乳用雌牛から採卵されたものであること。
2 海外において1に掲げる牛と同等の能力を有すると認められ、乳用雌牛から採卵されたものであること。




(C) Japan Dairy Council All rights reserved.