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2003.SPRING Vol.18
全国の生乳生産量13カ月ぶりに前年割れ
全国ベースでみた生乳生産量は、特に北海道の高い伸びが反映され、前年を上回って推移していましたが、1月は13カ月ぶりに前年を下回りました。
北海道の生産は、個体乳量の伸びの落ち着きや前年の反動から、伸び率は徐々に低くなっていますが、搾乳牛頭数の増加を背景に、今後も前年を上回って推移すると予想されます。
都府県の生産は、上期にBSE等の影響による廃用予定牛の飼い伸ばし傾向もみられましたが、滞留が解消されるにともない、生産量は減少基調となっています。また、乳牛価格の高騰も伸び悩みの一因となっている模様です。しかし、県別・地域別にみると、格差がより大きくなっており、これまでの乳牛の更新・導入の差が反映されていると考えられます。
飲用牛乳等の需要の伸びと北海道からの生乳移出量の増大
平成14年8月以降、飲用牛乳の需要が前年を大きく上回って推移しています。特に、牛乳の消費量は大幅な伸びを示しており、牛乳表示の改正に加え、「おいしい牛乳」や「メグミルク」の宣伝効果等も、これを後押ししていると考えられます。生産落ち込みも影響し、都府県では生乳が一貫して不足基調となっており、北海道からの生乳移出量が大きく増加しています。
懸念されるアンバランスな生乳需給
脱脂粉乳の需要は減少傾向が落ち着き、前年並み水準となりましたが、在庫量は依然、過去に例をみない高い水準となっています。直近でも、主な仕向け先である加工乳・乳飲料の消費は停滞しています。一方、バターは特定乳製品向け生乳量の減少を受けて、製造量が前年を大きく下回っており、年末の需要期にフレッシュバター等は販売規制がとられるなど、不足感が出ています。生クリームも含めた乳脂肪の需給は、ややタイトとなっています。
飲用、乳脂肪の需給がタイトななかで、脱脂粉乳の需給は緩和し、在庫が増加するという需給のアンバランスが、平成13〜14年度にかけた生乳需給の特徴であるといえます。
酪農乳業情報センターの平成15年度生乳需給予測では、第1四半期において、飲用向け需要は引き続き好調を維持するものの、脱脂粉乳在庫はさらに増加する見通しとなっており、需給のアンバランスがさらに拡大することも懸念されます。生乳需給の安定を図る面でも、早期の脱脂粉乳在庫の解消と需要の拡大策が望まれます。
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