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2002.WINTER Vol.13
VOICE





 平成13年11月29日、東京・後楽園の東京ドームホテルにて、 「第3回オール・ジャパン・ナチュラルチーズコンテスト」が開催されました。
 本コンテストには、同日より開催された「平成13年度生乳需要拡大研修会」の指定団体関係者等も参加。 表彰式の後の試食会では、国産ナチュラルチーズの技術向上を実感する等、 有意義なひとときとなりました。

 今回で3回目となるコンテストは、国産ナチュラルチーズの製造技術向上と消費拡大を目的に平成10年から隔年で開かれているもので、全国のメーカーや牧場など、42団体から97作品ものチーズが出品されました。出展者数も前回の38団体から42団体に増え、全国各地に「おいしい」チーズ作りの輪が広がっていることが伺えます。 コンテストには、チーズ鑑定専門家の村山重信審査委員長をはじめ、料理評論家の山本益博氏など、鑑評の第一人者9人が顔をそろえたほか、特別審査員として、フランスから農業省のジェラール・リポー氏、チーズ生産者のモニーク・ルネーグル氏を迎え、厳正な審査が行われました。  審査方法は、作品をハードタイプ、ソフトタイプ、フレッシュタイプの3部門に分け、「外観、色、風味、旨味、香り、組織、気候風土に合わせた製造環境、原乳の品質、製造管理」を採点基準に、部門ごとに優秀賞を決定。そこから金賞と各特別賞が選ばれました。

 受賞者発表に先立ち、特別審査員のジェラール・リポー氏、料理評論家の山本益博氏による特別講演が行われ、引き続き、上野千里・中酪副会長が「全国に点在している生産者と流通販売業者との交流を図ると同時に、国産ナチュラルチーズの技術向上をめざした生産者同士の情報交換の場にしてほしい」とあいさつ。来賓祝辞の後、受賞者発表と表彰式が行われ、ハード部門10作品、ソフト部門9作品、フレッシュ部門8作品が優秀賞に選出されました。
そして、日本一の栄誉に輝く農林水産省生産局長賞は、新生酪農(株)の「ミルシェチーズ(房総)」に決定。同社は別の作品で前回に続く2度目の受賞となりました。  授賞式の後の試食会では、それぞれの出展ブースに自慢のチーズが並べられ、流通販売業者や外食産業、マスコミ関係者などが生産者と活発に意見交換する姿が見られました。なかには、地元のチーズが受賞したという指定団体関係者もいて「こんなにうれしいことはない。帰ったら早速報告したい」と喜びを語ったほか、初めて参加したというホテル関係者は「こんなに作品があるとは知らなかった」と盛況ぶりを驚くと同時に、「日本ならではの個性的なチーズをもっと開発してほしい」と国産ナチュラルチーズへの期待を語りました。  中酪としても、コンテスト開催の意義を感じるとともに、消費拡大に向けてのさらなる努力の必要性を痛感させられることとなりました。

受賞者リスト
社   名 商 品 名 タ イ プ
農林水産省生産局長賞
新生酪農? ミルシェチーズ(房総) ハードタイプ部門
農畜産業振興事業団理事長賞
プロセスグループ夢民舎 ブルーチーズはやきた ソフトタイプ部門
金賞
新生酪農 ミルシェチーズ(房総) ハードタイプ部門
プロセスグループ夢民舎 ブルーチーズはやきた ソフトタイプ部門
フルーツフラワーパーク ミルク館 神戸チーズ フレッシュ・他タイプ部門
特別審査員賞
富士開拓農業協同組合 あさぎりホワイト
カマンベールチーズ
ソフトタイプ部門
新田牧場 リコッタ フレッシュ・他タイプ部門
優秀賞 ハードタイプ部門
半田ファーム ルーサン
花畑牧場チーズ工房 花畑牧場のトム
大友チーズ工房 ミルドー
ノースプレインファーム ペッパーチーズ
アドナイ フォンチィーヌ
新生酪農 ミルシェチーズ
長門牧場 長門牧場硬質チーズ(ゴーダ風)
チーズ工房 丸森 丸森ゴーダ・ヤング・01
チーズ工房 丸森 丸森ゴーダ・オールド
新田牧場
優秀賞 ソフトタイプ部門
プロセスグループ夢民舎 ブルーチーズはやきた
よつ葉乳業 ブリーチーズ
よつ葉乳業 ブルー&カマンベールチーズ
農事組合法人 小川原湖農場 ブリーチーズ
富士開拓農業協同組合 あさぎりホワイト
カマンベールチーズ
ひがしもこと乳酪館 カマンベールチーズ
クレストジャパン 「みるくの宝石箱
チーズファクトリー」
カマンベールチーズ
アドナイ フロマージュ・ド・エール
森のシェーブル館 サントモール
優秀賞 フレッシュタイプ部門
花畑牧場チーズ工房 花畑牧場のマスカルポーネ
フルーツフラワーパーク ミルク館 神戸チーズ
みるくのアトリエ 寺田牧場 モッツァレラ
JA佐渡ミルク工房 クリームチーズ
新生酪農 ミルシェチーズ(モッツァレラ)
加藤牧場 フロマージュ・ブラン
長沼あいす酪乳品工房 田園クリームチーズ
新田牧場 リコッタ



料理評論家/山本益博
「素材のいのちを生かす職人の技」
最近、食の世界で素材の大切さが見直されるようになってきました。フランスのある著名なシェフも「料理人は、素材のいのちを生かしてこそ一流」と語っています。今日のチーズコンテストでも「牛乳」という素材への尊敬の念と、その味を生かすチーズ職人の情熱が感じられ、大変うれしく思います。これからも、素材のいのちを全うする気持ちを大切に、チーズづくりに励んでほしいと願っています。



フランス農業省/ジェラール・リポー
「ヨーロッパの伝統的なチーズ」
フランスには400種類ものチーズがあり、伝統的な「土地の味」として継承されています。その味わいは、使う道具や熟成させる場所によって変化し、風土や食文化によって、まったく違うチーズができあがります。イタリアやスイスなどを回っても、フランスと同じチーズはひとつもありません。つまり、その土地ならではのチーズであれば、それが魅力となり、伝統の味として受け継がれていくのです。




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