スゴいぞ!牛乳。飲んだら、ええよう。  >>>                             



2001.SAMMER Vol.11
VOICE




「加工乳って何?牛乳じゃないの?」こういった声が、昨年7月に起きた雪印食中毒事故を契機に、消費者から多く寄せられるようになりました。厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によると、牛乳とは、牛から搾ったままの生乳を殺菌したもので、副材料等の使用を一切認めていません。
現在、様々な牛乳類商品が流通していますが、牛乳と誤認されやすいものに、加工乳、乳飲料、部分脱脂乳、脱脂乳といったものがあります。加工乳とは、生乳に脱脂粉乳やバターといった乳に由来する原料を混ぜたもの、乳飲料は、カルシウムやコーヒー等、乳に由来しないものを混ぜたもの、部分脱脂乳と脱脂乳は、いずれも生乳から乳脂肪分を取り除いたものであり、前者は3%未満、後者は0.5%未満のものをいいます。
これらの商品は、一部の乳飲料を除いて色が白く、生乳の使用率が50%以上の加工乳や白い乳飲料は「牛乳」という商品名を使用できるため、誤認を与えやすい表示になっていると消費者から指摘がありました。また、中央酪農会議をはじめとする生産者団体でも、誤解を与えないような表示を求めてきました。




牛乳の場合
生乳100%使用と表示可能

加工乳または乳飲料で生乳50%以上使用の場合
すべての加工乳及び乳飲料について、「牛乳」の文言使用不可。
生乳使用割合は、一括使用欄に「生乳(50%以上)」「生乳(50%未満)」と表示する他、50%以上の場合は、商品名の周辺部に「生乳50%以上使用」または固定値として「生乳○○%使用」と表示。



こうした状況に鑑み、農林水産省では昨年夏から関係者による検討会を実施し、昨年11月には提言が取りまとめられました。これを受け、乳業メーカーの集まりである全国飲用牛乳公正取引協議会において、表示改正に係る手続きを現在進めています。
その改正内容の骨子は、次の通り。
  1. 牛乳及び特別牛乳以外の商品名に「牛乳」の文言は表示しない、
  2. 一括表示欄の原材料表示に牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳には「生乳100%」と表示する。加工乳、乳飲料については、その生乳の使用割合に応じて「生乳(50%以上)」もしくは「生乳(50%未満)」と表示する
  3. 商品名周辺部分の表示は、牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳については「生乳100%使用」と表示することができる。加工乳、乳飲料については生乳50%以上使用の場合、「生乳50%以上使用」または固定値の「生乳○○%」と表示する。生乳50%未満の場合、固定値の「生乳○○%使用」と表示(任意)することを推進する。

表示の改正は、今後、公正取引委員会の承認を受けて一定の猶予期間を設けた後、実施される予定です。
近年の生乳使用率に対する消費者意識の高まりから、全ての商品に生乳使用率を表示すべきだと考えられますが、生乳50%未満の加工乳・乳飲料への生乳使用率は、任意表示とされました。この点は、今後への課題として積み残されることとなりましたが、今回の表示改正に伴い、従来よりは、わかりやすい商品情報を提供することができるようになるとともに、国産生乳の消費拡大の足がかりになることが期待されます。




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