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2000.SPRING Vol.6
ここ1〜2年、ハイファット(高脂肪)・クリームチーズの輸入が急増しているといわれています。このチーズは、輸入品目分類上はフレッシュチーズとなっており、一般のナチュラルチーズの関税率が課されるため、国内でも出回り価格は国産バター価格の2〜3割近い安さといわれています。このため、バターに代わって、アイスクリームやコーヒー用ミルク、デザート製品などに、主に業務用で使用が拡大しつつあるといわれています。
このハイファット・クリームチーズの製法は酵素(レンネット)使用による凝固か他の手法による凝固かは定かではありませんが、いずれにせよハイファット・クリームチーズの乳脂肪率は概ね60〜78%程度といわれ、乳脂肪率80%のバターに続く割合で、乳脂肪率が20〜40%程度の大半のナチュラルチーズ類をはるかにしのぐ高さといわれています。そのため、食感も一般のチーズとは異なっていて、チーズ臭はほとんどなく、いわゆる無塩バター(現在の正式表示名称は食塩不使用バター)とよく似た製品となっています。また、輸入時は、写真のように黄白色で、多くの場合、発酵や溶解を止めるため冷凍状態となっており、一見するとチーズの仲間とは思いにくく、バターのような外見です。このため、関係者からは「偽装バター」として問題視されているわけです。
平成11年度のハイファット・クリームチーズの輸入量は1万3千〜1万5千トンと推定され、これはバターに換算(脂肪率の差を考慮)すると1万2千トンにもなります。他方、国産バターの平成11年度末の在庫は4万トン弱で、適正水準が2.0〜2.5ヶ月のところ、5.5ヶ月以上と大幅な余剰在庫を抱えるとみられています。平成5年度末にもバター在庫が大きく膨らんだことはありましたが、業界全体の努力により平成9年度末迄には減少。それが翌平成10年度以降は一転して増加傾向にありますが、これはハイファット・クリームチーズの輸入の影響も受けているものと推定されます。
このように、バターに酷似した乳製品が今後もチーズとして輸入されるならば、バターの需給に悪影響を及ぼすことはもとより、現行および今後の乳製品に関する諸制度を有名無実にしかねないことも懸念されるため、酪農関係者は、目下、輸入抑制についての要請を行っています。
今回、バターの健康的価値が見直され、消費拡大への朗報が聞かれました。しかし、そうした明るい兆しに水を差すかのような「偽装商品の横行」には、適切な抑制措置が図られるよう、今後も強く要請していく予定です。
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