チェックシートをご活用していただく際に、ご注意いただきたい点やよくある質問事項について、Q&A方式で取り纏めましたのでご活用ください。また、チェックシートの記入にあたっては、「生乳生産管理チェックシート」に「チェックシート記入例」を掲載しておりますので、併せてご参照ください。
なお、ここに掲載されていない質問事項等がございましたら、お問い合わせフォームからお送りください。皆様から頂いた質問につきましては、今後Q&Aの各項目に追加していきますので、ご活用の程宜しくお願い申し上げます。
1.「生乳生産管理チェックシート&マニュアル」について
2.記帳と記録の保管について
3.衛生管理チェックシートについて
4.動物用医薬品の投薬記録について
5.資材交換・牛舎消毒履歴について
6.飼料給与記録表について
7.農薬、肥料使用記録及び家畜排泄物の発生数量等の記録について

1.「生乳生産管理チェックシート&マニュアル」について

「生乳生産管理チェックシート&マニュアル」を作成した背景は?
近年、消費者の食の安全・安心に対する関心が急速に高まっているなか、食品安全基本法が平成15年5月23日に制定されて以降、様々な関連する法規制が制定・改正されました。食品安全基本法では『国民の健康の保護が最も重要である』という基本認識のもと、農林水産物の生産から販売に係る全ての関係者が一体となって食品の安全性の確保に取り組むこととなりました。
このように「食の安全・安心」が求められるなかで、生乳生産者段階でも積極的にその役割を果たしていくことが重要となっています。また、食品衛生法の一部改正を受けて導入が決定されたポジティブリスト制度により、対象外物質を除いた全ての農薬等(農薬、動物用医薬品、飼料添加物)について残留基準が設定されることから、これまで以上に農薬等の管理・使用には注意を払う必要があります。
そのため、「生乳生産管理チェックシート&マニュアル(管理基準と作業手順)」を酪農家の皆様に配布するとともに、記帳・記録の保管を通して、「農薬等の適正管理と適正使用」と「衛生的な生乳生産の実施」に努めることとしました。
作業手順やチェックシートへの記入について、それを行う各種法律の根拠がある場合は、チェックシートに記入するなどの方法により、分かるようにして欲しい。
チェックシート&マニュアルの「マニュアル(管理基準と作業手順)」において、関連する法律等を明記していますのでご参照ください。

2.記帳と記録の保管について

記帳と記録の保管はなぜ必要なの?
生乳生産に係る記帳を行い、「日々、衛生的で安全な生乳を出荷している」ことを再確認することで、消費者や取引先の皆様に「安全」と「安心」を届けることが出来ます。
また、ポジティブリスト制度の導入に際して、約800品目の農薬等に残留の基準値が設定されましたが、その800品目全てを管理対象とする必要は無く、自分が使用する農薬等についてのみ管理すれば良いと考えます。そのため、各酪農家は自分が使用する農薬等について「適正に管理し、適正に使用した」ことを記帳し、またその記録を保管することで、管理対象となる農薬等の数が減るとともに、適正に生産を行っていたことを説明できる根拠となります。

チェックシートの記入は鉛筆でも良いか?
このチェックシートは8年間保管しますので、鉛筆で記入した場合「字が薄くて、何が記載されているのか読み取りづらい」などの問題が発生することが考えられます。また、記帳に際しては、日々の記録を残すとともに、内容が改ざんされないことが重要です。そのため、ボールペンで記入してください。

各チェックシートで、記入する欄が足りなくなった場合は?
飼養頭数が大きな経営では、記入する欄が足りなくなる場合も考えられます。その際は、中央酪農会議ホームページに各月のチェックシートのPDFデータを掲載していますので、必要な部分を印刷してご使用ください。

チェックシートが台帳様式になっていて記入しづらい。バインダー方式の場合は、項目ごとにファイルできるなどの簡便性があり、利用しやすいのでは?
台帳式とバインダー方式はそれぞれに一長一短があります。台帳式では記帳が必要な記帳項目があらかじめ記載されており、また記載後はこの1冊を保管すれば良いことになります(なお、農薬等の伝票等は別途保管してください)。そのため、この形式の帳簿は記入しづらい難点はありますが、用紙の紛失等が無い利点があります。
一方、バインダー方式であれば、農薬等の伝票等も含め必要な用紙を綴じ込んでいけば良く、常時冊子を持ち歩く必要が無いなど記帳に際しての利便性・簡便性があります。しかし、用紙の抜き差しの時は、用紙の紛失が生じる可能性も有ります。
そのため、平成18年度の取り組みに際して、初めて記帳・記録の保管に取り組まれる酪農家に対応するためには、(1)1年間分の必要な記帳項目をあらかじめ掲載して、記帳に対する意識を高めること、(2)記帳したものを保管しやすいことに、重点を置いたことから台帳形式を選択しました。
19年度についても酪農家の記帳に対する慣れを考慮し、18年度同様の台帳形式にいたしました。


3.衛生管理チェックシートについて

出荷乳量は何を記載すればよいのか?
出荷乳量欄はその日の朝・夕に搾乳した乳量の合計ではなく、当日出荷した乳量を記入ください。そのため、自分で測定して記録するのではなく、集乳車の運転手が残していった伝票を基に記載して構いません。

各日付の欄に、「1回目」「2回目」「3回目」とあるが、何を基準にしているのか?
出荷乳量とは別ものと考えているので、基本的には当日の「1回目」「2回目」を想定しています。 ただし、農協の方針が、集乳後からの回数のことを指す場合も考えられますので、当日晩の搾乳を1回目とする等で対応してください。

生乳廃棄頭数は何を記載すればいいのか?
分娩後5日以内の牛、乳房炎に罹患している牛、血乳の牛、薬剤投与牛など生乳を出荷しなかった実頭数を記載してください。

ミルカー、バルククーラーの「適正に洗浄した」の「適正に」とは、具体的には?また、機器が自動で洗浄を行う場合はどのように対処するのか?
「生乳生産管理マニュアル(管理基準と作業手順)」のなかで、「清掃&消毒マニュアル」を記載しておりますので、この手順に沿って洗浄・消毒を行うとともに、洗浄剤が残らないように、しっかりすすぎを行ってください。
なお、ミルカー、バルククーラーの機器(ロボット搾乳を含む)によっては、自動洗浄が行えるものがあります。この場合の洗浄・殺菌は酪農家が事前にプログラムした時間に自動で実施されるとともに、その履歴も記録されます。そのため、洗浄・殺菌については、その記録を保存することで、記帳に代替することが出来るものとします。

搾乳後の乳温確認に関して、ローリー運転手が集乳時に検温した数字を記載することは出来ないか?
生乳中の細菌数の増殖を防ぐためには、バルククーラーの乳温が常に10度以下に維持されていることが必要です。乳温が上昇する要因としては、(1)搾乳した生乳をバルクに投入した直後、(2)停電又はバルククーラーのスイッチの入れ忘れ、(3)バルククーラーの故障が挙げられます。
そのため、生乳を投入して1時間経た際に、バルククーラーの乳温が4℃±1℃であれば、一時的に上昇した乳温が適正に冷却されていることが確認できます。また、5℃以上であれば、(2)、(3)の要因が考えられ、早急に対処できることとなります。そのため、18年度においては、ローリーの集乳時ではなく、投入1時間後の乳温をチェックすることとしましたが、19年度については、搾乳1時間後には牛舎にいない等の現状を踏まえ、1時間後には固執せず、搾乳後の時間と乳温をチェックすることとしましたので、酪農家の方々によるご記入をお願いいたします。

ロボット搾乳を実施している場合の乳温確認は?
ロボット搾乳では、乳牛が自分の好きな時に「搾乳場所」に赴いて、乳が搾られることから、生産者は飼養している牛がいつ搾乳され、かつ搾乳後1時間経過したのか確認することは困難であるとともに、搾乳牛が複数頭いる場合に毎回乳温を確認するというのは不可能です。そのため、搾乳後の乳温は集乳時の乳温で代替することとしてください。


4.動物用医薬品の投薬記録について

記録月日に、初回治療と最終治療月日の2つ項目があるのはなぜ?
乳房炎等では、症状が完治するまでの間、動物用医薬品が数日に渡って投与されます。その際の出荷制限期間は、最終治療が施された時を基点に算出されますので、最終治療月日の記入をお忘れないようにお願いいたします(なお、治療中も出荷はできませんので、初回治療の日付を記入しマーキングを実施し、休薬期間中の生乳が出荷生乳に混入しないように注意してください)。

治療分房の記載欄とは?
動物用医薬品の使用では、乳房炎に罹患した乳牛に対する投薬割合が高いと考えられることから、乳房炎での治療分房を記載する欄を設けております。そのため、乳房炎以外の治療では記載する必要はありませんので、ご了承ください。

残留確認検査の項目は何を記載するのか?
動物用医薬品使用に係る休薬期間が経過した後、当該牛の生乳が出荷できるか確認検査を実施した場合に記入する欄です。なお、ここでの「確認者」とは、陰性であることの通知を受けた酪農家の方のお名前をご記入ください(例:父、母、アルバイトの方の名前)。当該酪農経営に従事する方は、この記帳を見れば出荷の可否を判別できるとともに、口頭による指示より確実に対処できます。

乾乳軟膏を使用した場合も記帳するのか?また記録の方法は?
乾乳軟膏を使用した場合も記帳をお願いします。なお、乾乳軟膏を使用した場合、生乳を出荷するまで平均60日程度経過するとともに検査予定日が記載できない(出産日が確実ではない)ことから、乾乳軟膏用の記録欄を設け、分娩記録も併せて行うことができるようにしました。このシートでは、(1)使用日、(2)投与牛、(3)薬剤名、(4)分娩日、(5)残留確認検査、(6)出荷日を記入することとしています。

動物用医薬品の投薬については、抗菌性物質に限定して記載するのか?
「動物用医薬品の使用の規制に関する省令」の第5条別表において、牛等を対象とする医薬品について記帳すべき動物用医薬品(成分及び使用基準等)が記載されています。本来であれば、別表に記載された牛を対象(牛に対して使用することが承認されており、使用基準及び休薬期間が設定されている)とする動物用医薬品のみを記帳頂きたいが、薬事法第83条の4第2項の規定により、「獣医師は使用の特例として、必要な場合には使用基準の用法・用量によらず使用できる」ことが明記されています。現状では、牛用以外に承認され、国内で販売されている医薬品が、牛に使用された場合にどの程度残留するのか基準がありません。また、牛用に承認されている医薬品であっても、これまで規制がされなかった成分(消毒剤や胃腸薬等)がポジティブリスト制度では対象になることから、現状ではすべての動物用医薬品についての記帳をお願いしております。
なお、現在農林水産省において、動物用医薬品の使用基準について見直しが図られており、本年3月に省令改正、5月29日には施行される予定となっています。

動物用医薬品の投薬記録を記入する際に、薬剤名・休薬期間等の情報が複雑で記入するのが大変なので、良い方法はないか?
よく使用する薬剤については、「チェックシートを上手に記入するために」の「抗菌性物質製剤等動物用医薬品リスト」に、(1)動物用医薬品の名称、(2)用途、(3)休薬期間等をあらかじめ整理しておけば、実際に投薬した場合に記帳が容易になります。

例:抗菌性物質製剤等動物用医薬品リスト
ID名称用途休薬期間(時間)備考
(1)○○乳房注入剤乳房炎72βラクタム系
(2)○○○△△△96オキシテトラサイクリン系

上記リストを基に、動物用医薬品の投薬記録の記入に当たっては、「使用薬剤名」の欄に「(1)」を、また出荷制限期間についてもすぐに判明します。

なお、地域によっては投薬時に必要事項(薬剤名、休薬期間等)が明記された用紙(A4サイズ1枚)を酪農家に渡し、それを基に酪農家が記帳する取り組みを行っています。それらを参考に、今後全国的に活用できないか関係者の皆様のご協力を頂きながら進めていきたいと考えています。

動物用医薬品の投薬記録の様式について、個体別のファイル方式としてはどうか?また、治療牛と分娩牛を分けて記入できるようにしてほしい。
動物用医薬品の投薬記録については、個体別のファイル方式などの要望もいただきましたが、個体別となると飼養規模によって必要なシートの枚数が異なってきます。今回は全国的に統一した様式で配布させていただくことから、個体別の方式は採用しませんでした。また、治療牛と分娩牛を分けて記入する点についても、引き続き生産者の使い勝手を踏まえながら検討してきたいと考えます。


5.資材交換・牛舎消毒履歴について

洗剤・殺菌剤等の購入日を記載する意味は?
洗剤・殺菌剤の使用は、農薬等の危害混入の要因となるとともに、使用濃度等を適切に取り扱うことによって細菌数等を減菌する重要な作業のひとつです。1日で使用する洗剤・殺菌剤の量はそれぞれの酪農経営でほぼ一定していることから、1月で使用する量も把握できます。そのため、月々の購入数量に大きな変動がないかを確認することで、誤った使用がなされていないか判明します。こういった見地から購入日と購入数量(=使用量)を記帳することといたしました。

搾乳用ゴム部品の欄には、何を記載するの?
搾乳用ゴム部品については部品を交換した日付及び交換数量をご記入ください。

ミルカー・バルククーラー定期点検の欄は何を記入するの?
この欄は生産者による日々の動作点検ではなく、機器自体の点検・校正(キャリブレーション)を実施した場合に記入する欄です。定期点検を実施した際には、メーカーや販売店、農協等の担当者の方にサインを記入して頂くようにして下さい。

ハエ・ネズミの駆除剤の記録は?
その他・鳥害防止の忌避剤、ハエ・ネズミの駆除剤等を記入する欄に記帳ください。


6.飼料給与記録表について

記帳は日々行うのか?
4月1日時点での飼料給与状況を記録してください。
19年度は18年度をベースとしますが、月1回記帳する方式ではなく、使用開始日及び使用終了日を挿入し、給与内容の変更の都度追加する様式に変更しました。

飼料給与記録はBSE対策もあることから、購入飼料の品名のほか、購入月日、数量、購入先を記帳できるようにした方がいいのではないか?
チェックシートではステージごとに、給与した飼料名称、販売元、製造元、使用量、使用開始日及び終了日について記載をお願いしています。また、購入日については、伝票等を保管することで対応することとしておりますので、ご了承ください。

盗食で他の畜種飼料(鶏・豚)の飼料を食べた場合はどうしますか?
農林水産省は、平成15年に「反すう動物用飼料への動物由来たんぱく質の混入防止に関するガイドライン」を制定しています。本ガイドラインは、BSE等の発生防止に万全を期するため、飼料及び飼料添加物の製造、輸入、流通、保管、給与等の各過程における反芻動物用飼料への動物由来たんぱく質の混入防止に関する指針を示したものです。
この指針を受けて現在は、飼料をA飼料(牛、羊、山羊の反芻動物に給与される)とB飼料(A飼料以外)に分け、給与の際においてもA飼料とB飼料とを適切な方法により確実に分離する措置が求められています。そのため、鶏や豚用の飼料を牛が食べることがあってはならないので、飼料の管理及び給与に際して十分な注意を払って下さい。

「哺育牛」、「育成牛」、「搾乳牛」、「乾乳牛」の区分しかないが、これ以外にも餌のメニューを細分化している場合はどのように記載するのか?
牛群の区分を記載していない用紙を設けていますので、自分で区分をご記入してご使用ください(例:乾乳牛(前期)、乾乳牛(後期)など)。


7.農薬、肥料使用記録及び家畜排泄物の発生数量等の記録について

農薬・肥料の使用欄の「圃場」については、何を記載するのか?
「圃場」はその住所や通称など、指導者が確認できる名称でご記入ください。


堆肥を散布した場合の記帳は?
平成19年度版では、国で様式例を示している「家畜排せつ物の発生量等に関する記録」を準備しておりますので、処理方法別の数量割合をご記入ください。

農薬の使用に際して、使用基準には自給飼料の刈り取りの時期が記載されているが?
「農薬使用記録」には、「刈り取り日」欄を設けております。一部の農薬の使用基準に、「散布後の刈り取りは○○日は行わない」という規定がありますので、刈り取りを行う場合はその日付を記さするとともに、この基準を遵守していることを確認ください。

デントコーン作付けで米作のヘリ防で飛散した場合はどうするのか?
「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(平成十五年三月七日農林水産省・環境省令第五号)」において、航空機を用いた農薬の使用に関して、『農薬使用者は、農薬を使用しようとする区域(以下「対象区域」という。)において、風速及び風向を観測し、対象区域外に農薬が飛散することを防止するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。』と記載されています。そのため、農薬の使用に当たっては十分な注意を払って使用してください。

隣の農家が使用した農薬のドリフトが心配だが?
法律では、農薬等を使用する者がそれぞれの責任を持って、「農薬等の適正使用と適正管理」することが求められています。しかしながら、ドリフト発生の可能性は全くのゼロではありませんし、他の農業者が農薬を使用した際に発生した飛散まで記帳することは事実上不可能です。
現在、ドリフト問題については、農林水産省を中心に議論が進められています。平成17年12月20日に発布された「農薬の飛散による周辺農作物への影響防止対策」では、個々の農業者にあっては、(1)定期的な農薬散布を見直し、総合的病害虫・雑草管理に努めること、(2)農薬を使用する場合は農薬の飛散により周辺作物に被害を及ぼすことがないように配慮することが明記されています。又、都道府県の農作物病害虫防除指導関係、生産振興関係及び普及関係の行政部局、農業者団体等が連携して、農薬の飛散防止対策の指導・啓発のための指導体制を整備し、都道府県の対策方針を定め、農薬飛散影響防止対策に取り組むこととなっていますので、地域の農業関係者でドリフト防止に努めるようお願いするとともに、酪農家も農薬を使用する場合は十分な注意を払ってください。

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